糖尿病患者の治療への意識・行動を把握する調査 

2014年03月13日
メディカルライフ研究所は、2013年10月に、糖尿病患者の意識と行動の実態を把握することを目的に、塩野義製薬と共同で、糖尿病患者3,437名を対象とした意識調査を行いました。
調査結果からは、糖尿病患者の大半が、治療継続の重要性を認識しているにもかかわらず、きちんと治療を続けている方は半数に満たないという実態が浮かび上がりました。

では、治療に前向きに取り組んでもらうためには、どうすればよいのでしょうか。
前向きに治療に取り組むという意識を患者の目標とし、その目標に対して影響を与える要素を、定量的なデータ分析により検証してみたところ、以下の8つのポイントとの関連性があることがわかってきました。

患者本人の治療への評価:『1,治療効果の認識・理解』『2,治療の精神的負担』
患者本人の糖尿病、治療に関する知識:『3,自分の病状の理解』『4,糖尿病の薬や治療方法の知識』
医師との関係:『5,医師の理解・支え』『6,医師に注意される&うるさい』
家族との関係:『7,家族との精神的なつながり』『8,家族の行動的サポート』

【調査結果ポイント】

①糖尿病患者の治療への意識

患者の8割は治療方針を理解しており、治療継続の重要性も認識
糖尿病患者において、「今の治療方針を理解している」人は85.4%にのぼり、大半の患者は、自分がどのような治療を行っているかを理解しています。また、糖尿病は完治が大変困難であり、患者は一生治療を続けていくことになりますが、その治療の継続の重要性についても、89.5%が認識をしています。

②糖尿病患者の心配事や不満

患者の心配事は、合併症、検査値のこと、家族への負担など、多岐にわたる
糖尿病患者の心配事において、「透析になるのが怖い」「網膜症になって失明するのが怖い」「心筋梗塞になるのが怖い」など、合併症への不安が上位にあげられました。また、6位以下には体重管理のこと、薬を飲むこと、検査値のこと、家族への負担などが続いており、いずれも3~4割ほどみられています。

③糖尿病患者の治療への態度

“治療をきっちりやっている”人は半数程度、”治療をやめたいと思うことがある”人も3割存在する
大半の患者が治療方針を理解し、また治療継続の重要性も認識してはいるものの、「治療に必要なことはきっちりやっている」人は51.4%と半数程度に留まっています。また、糖尿病患者は、様々な心配やストレスを多くかかえていることもあるためか、「治療をやめたいと思うことがよくある」人が32.3%とほぼ3人に1人の割合で存在しています。

④治療に前向きになってもらうためのポイント

治療への取り組みには、患者本人の意識だけでなく、医師、家族との関係性も重要
治療の継続が重要であることはわかっていても、ちゃんと治療に取り組むことがなかなか難しい糖尿病ですが、ではどうすれば糖尿病患者は、前向きな気持ちで治療に取り組めるのでしょうか。
「治療に前向きに取り組む・治療をきっちり行う」という気持ちには、どのようなことがらが影響を与えるのかを検証したところ、今回の調査では、

―「治療の効果を感じる」や「治療にストレスを感じる」といった、患者本人の『治療への評価』
―「糖尿病自体や治療に関して理解しているか・知っているか」といった、患者本人の『治療・病気に関する知識』
―「医師が自分(患者)を理解してくれているか、注意されたりするのがストレスでないか」といった、『医師との関係』
―「家族が自分(患者)を気にかけてくれているか、治療に協力してくれているか」といった、『家族との関係』

といったことがらが影響力があることがわかってきました。
中でも、影響力が高かったのは「治療効果の認識・理解」と、「自分の病状理解」の2つでした。
なお、患者自身が疾患に対して持つ意識や知識に加えて、医師や家族といった周囲の方との関係も重要なようです。


【調査概要】
調査手法 インターネット調査
調査時期 2013年10月
調査地域 全国
調査対象 20歳~69歳 男女
調査サンプル 有効回収数(糖尿病患者*) 3,437s
*糖尿病疾患:糖尿病に「あてはまる/ややあてはまる」と回答し、かつ「医師の診断によって糖尿病と特定した」と回答した人

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