矢野経済研究所は、国内のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場およびそれを実現する建築設備市場の調査を実施した。本調査におけるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場とは、当該年度に竣工(完成)するZEB(ZEB + nearly ZEB)の建築費や建築設備費、その他費用を対象とし、算出した。

【調査結果サマリー】

◆ZEB市場は2015年度に立ち上がり、2030年度には7,059億円に拡大と予測
経済産業省、国土交通省、環境省では、住宅・建築物における省エネ・省CO2対策の取り組みとして、2020年度に新築公共建築物等でZEB(ゼロ・エネルギー・ビル、以下ZEB)を実現し、2030年度に新築建築物の平均でZEBとする目標を掲げている。そのために、2011年度からは国の補助金制度も創設され、現状では国内の建築業界の各社は目標に向けて、ZEB化の技術開発、実証試験、モデルビルの建築等を進めてきている。
本調査結果では、国内ZEB市場は2015年度に立ち上がり、竣工ベースの市場規模は2015年度の179億円から、目標とする2030年度には7,059億円に拡大すると予測する。

◆LED照明、タスク&アンビエント方式、潜熱・顕熱分離空調方式等の採用で大幅省エネ
ビルの省エネ・ZEB化は、構造やビル外皮(壁、窓)等の建築の性能向上と、建築設備(照明、空調、換気、電気等)の性能向上により図られる。また、太陽光発電システム等の再生可能エネルギーを導入することにより、ZEBとすることができる。建築設備としては、高効率で調光制御が可能なLED照明システムや必要な空間のみに快適な環境を作り上げるタスク&アンビエント方式の照明・空調システム、温度だけでなく湿度も制御して省エネ性と快適性を両立する潜熱・顕熱分離空調システム等の採用が進んで、大幅な省エネが図られる。2030年度におけるZEB市場の7,059億円の中で、建築設備は2,643億円(37.4%)を占めると予測する。


【調査概要】
調査期間:2014年4月~6月
調査対象:設計事務所、ゼネコン、空調サブコン、電気サブコン、設備機器・ビルシステムメーカー
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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