グローバルITマネジメントに関するアンケート調査 

2014年07月03日
NTTデータグループは、約250社の上場企業等に対して「グローバルITマネジメントに関するアンケート調査」を実施。
本調査では、情報システムやITマネジメントのグローバル化の実態を把握したうえで、情報システムのグローバル化とビジネスの関係性や、情報システムのグローバル化における課題について調査・分析を実施しました。

【主な調査・分析結果】

(1)リージョン・グローバルでの「情報システムの集約・統合」、「ITマネジメントの一元的な実施」、「ITマネジメントのプロセス・ルールの標準化」について、実施を志向している企業と志向していない企業で二極化している

スケールメリットの観点から、ビジネスのグローバル化に対応して、グローバル全体で情報システムの集約・統合、ITマネジメントの一元的な実施、ITマネジメントのプロセス・ルールの標準化を推進することが有効であると考えられます。そこで、情報システムやITマネジメントのグローバル化の目指す姿(To-Be)について調査・分析しました。

その結果、約半数の企業がリージョン・グローバルでの情報システムの集約・統合やITマネジメントの一元的な実施、ITマネジメントのプロセス・ルールの標準化を志向している一方、残りの約半数の企業はリージョン・グローバルでのこれらの実施を志向していないことが明らかになりました。

グローバル展開している企業であっても、必ずしもリージョンやグローバルでの情報システムやITマネジメントの統合を志向しているわけではなく、個々の企業のビジネスや情報システムの事情に応じて目指す姿を検討しているものと推察されます。

(2)情報システムの集約・統合は、業務プロセスや経営リスク対策に関するビジネス目的達成に貢献する


海外拠点ごと、あるいはリージョン・グローバルでの情報システムの集約・統合は、個々の企業のビジネス上の何らかの目的を達成するために実施されるものと考えられます。そこで、情報システムの集約・統合とビジネス目的の達成状況の関係性を調査・分析しました。

その結果、情報システムの集約・統合を進めている企業ほど、業務プロセスや経営リスク対策に関する目的を達成している傾向にある一方、顧客接点に関する目的は情報システムの集約・統合とは関係性が認められませんでした。

情報システムの集約・統合を推進するうえで、業務プロセスの可視化や精査(効率化・高度化)を実施することから、業務プロセスや経営リスク対策に関する目的が達成されるものと推察されます。一方、顧客接点に関するビジネス目的については、市場特性による違いが大きいため、市場が異なる海外拠点間やリージョン間での情報システムの集約・統合による目的達成への貢献は小さいものと推察されます。

(3)情報システムの集約・統合をするうえで、「拠点間での調整・各拠点への浸透」や「集約・統合の推進ノウハウ確保」が課題となっている

情報システムの集約・統合や集約・統合範囲のリージョン・グローバルへの拡大を実施する上では、様々な課題に直面することが考えられます。そこで、情報システムの集約・統合と直面しやすい課題の関係性を調査・分析しました。 その結果、情報システムの集約・統合を推進する上では、「拠点間での調整・各拠点への浸透」と「集約・統合の推進ノウハウ確保」の2つの課題に直面しやすいことが明らかになりました。

情報システムの集約・統合には、様々なステークホルダーが関わり、利害の不一致(コンフリクト)が起こることが多いため、集約・統合の推進する上では常に、「拠点間での調整・各拠点への浸透」が課題になっているものと推察されます。また、集約・統合範囲のリージョンやグローバルへの拡大においては、難易度が高いことに加えて個々の企業の事情に合わせて実施する必要があることから、参考になるベストプラクティスやフレームワークが少なく、「集約・統合の推進ノウハウの確保」の課題に直面しやすいものと推察されます。


【調査概要】
調査対象:海外拠点を有する日系上場企業等(約2,650社)
調査方法:アンケート形式(所定調査票の送付、または所定Webサイト回答による)
調査期間:2013年3月~2013年4月
有効回答数:250社(回収率約9.4%)
回答者の属性:各企業のIT部門を俯瞰できる立場の責任者あるいは担当者

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[NTTデータ]
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