矢野経済研究所は、国内のCRMパッケージライセンス市場に関する調査を実施した。
CRM(Customer Relationship Management)パッケージとは、企業が顧客管理や顧客サービス向上を行うCRMシステムを構築するためのパッケージソフトウェアをさす。
また、本調査におけるCRMパッケージライセンス市場では、オンプレミス(エンドユーザーが自社設備でソウトウエアを利用する)と、クラウド(エンドユーザーはインターネットなどを通じてソフトウェアを遠隔利用する)のいずれも対象とした。

【調査結果サマリー】

◆2013年のCRMパッケージライセンス市場は前年比17.6%増の320億5,000万円と大きく伸長
2013年のCRMパッケージライセンス市場は、前年比17.6%増の320億5,000万円(エンドユーザー渡し価格ベース)であった。アベノミクスの影響もあり企業のIT投資が前向きに行われる中、CRMへも積極的な投資が行われ大きな伸びを示した。主な市場成長の要因は、好景気により各ベンダーに大型案件が多数持ち込まれたことや、ビッグデータを活用したOne to Oneマーケティング(顧客1人1人へ異なるアプローチを行なうマーケティング手法)への期待が膨らんだことの二点が挙げられる。
2014年もビッグデータにCRMを紐づける需要は増加し、マーケティング・オートメーションやDMP(Data Management Platform)という新たなソリューションが牽引する形でCRMに対するIT投資は継続する。そのため、2014年以降もCRMパッケージライセンス市場は前年比10%増前後の成長を維持し、2017年には490億円(エンドユーザー渡し価格ベース)に達すると予測する。

◆ソリューション別では、MarketingとAnalyticsが市場を牽引、SFAのモバイル対応も加速
2013年のCRMパッケージライセンス市場をソリューション別に見ると、MarketingとAnalyticsのソリューションが好調であった。これは、OnetoOneマーケティングや見込み顧客の育成が売上拡大に繋がるという認識がユーザー企業の間で広がってきたためである。集約したデータを分析、活用するMarketingやAnalyticsのソリューションに対する需要は2014年以降も拡大を続けると予測する。
また、4割を越える構成比を占めるSFA(Sales Force Automation)の分野では、大企業を中心にモバイル対応へのニーズが高まっているため、SFAのモバイル対応は加速していくと考える。


【調査概要】
調査期間:2014年1月~4月
調査対象:国内CRMベンダー
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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