CSR報告書調査 2013 

2013年12月26日
KPMGインターナショナルは、第8回目となる「CSR報告書調査」の2013年版を発表。
本調査は1993年に最初の調査報告書が発行されてからちょうど20年目を迎え、調査対象は初回の10カ国から41カ国4,100社へと増加し、これまでで最も幅広いものとなります。対象国および対象企業数の増加は、過去20年でCSR報告書がいかにビジネスにおけるスタンダードへと発展してきたかを示すものと言えます。こうした事象を反映し、本調査では初めて調査結果を2部構成でまとめています。

【第一部】 CSR報告の世界的なトレンド
41ヶ国の各国の売上高上位100社(N100企業)を対象に、どれだけの企業がCSR報告書を作成しているか、またCSR報告を動機付ける要素、業種間の差異、基準および保証の活用等の事項について調査。

【第二部】 世界的大企業におけるCSR報告書の品質
フォーチュングローバル500の上位250社(G250企業)を対象とし、各社のCSR報告の質を評価し、優れた企業を特定。また、これらの例を用いてガイダンスや洞察を提供。

KPMGの調査によると、前回の2011年の調査から、CSR報告を行うN100企業の比率は7%増加し、G250企業では93%の企業がCSR報告を行っています。もはやCSR報告書を発行するか否かの問題ではなく、自らの企業活動とそのステークスホルダーにとって最も重要な環境および社会的課題について、何をどのような形で報告するかが課題となっています。それによって導き出された課題を企業戦略の中核とし、リスク管理、機会の創出、長期的価値の創造を行うことが可能となるとしています。

過去2年間でアジア太平洋地域のCSR報告書発行比率は急増し、2011年には49%の企業が発行するにとどまっていたのに対し、今回の調査では71%もの企業が発行していることが明らかになりました。また、CSR報告書を発行している世界の半数以上の企業(51%)が、年次財務報告書にCSR情報を含めており、これは、2008年の9%、2011年の20%から比べて劇的な増加といえます。

また、本調査ではG250企業におけるCSR報告書の品質についても言及し、以下のことが明らかになっています。

・CSRパフォーマンスと経営層や従業員の報酬を明確に関連付けていると説明しているのは、G250企業のうちの10%に過ぎなかった。

・G250企業のうち、5分の1(23%)しか、成功事例だけでなく課題や障害などの事例も記載したバランスの良いCSR報告書を作成していなかった。

・欧州の企業はCSR報告書の品質において100点のうち71点という高い平均点を獲得していた。これは、米州の54点、アジア太平洋地域の50点と比べると突出している。

・G250企業のCSR報告書のほとんど(87%)は、企業活動に影響を与える社会的・環境的変化(「メガフォース」)について何らか触れている。中でも、気温変動、資源の枯渇、エネルギーと燃料などが一般的に良く挙げられている。

・多くの企業がリスクよりもビジネスチャンスに目を向けている:81%の企業が社会的、環境的要因からのビジネスリスクに言及している一方、機会について言及している企業の割合はそれより多い87%である。



【調査概要】
・調査方法:アニュアルレポート、独立したCSR報告書及び企業のホームページ上で公表されている情報をもとにKPMGが独自に調査。
・対象:2012年半ばから2013年半ばまで発行された報告書を対象とする。なお、この期間に報告を行わなかった企業については2011年の情報を用い、それ以前の期間に関する情報は本調査の対象外とした。
・調査企業数:本報告書の第1部では41カ国の各国上位100社、計4,100社を対象とし、これらをN100企業と称する。第2部では2012年のフォーチュン500社におけるグローバル上位250社を対象に評価を行い、これらをG250企業と称する。
・調査の対象国:以下41カ国。
【米州】ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア*、メキシコ、アメリカ 【アジア太平洋】オーストラリア、中国(香港含む)、インド、インドネシア*、日本、カザフスタン*、マレーシア*、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾 【欧州】ベルギー*、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ノルウェー*、ポーランド*、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国 【中東・アフリカ】アンゴラ*、イスラエル、ナイジェリア、南アフリカ、アラブ首長国連邦*  

*印付きは2013年の調査に新たに追加された国

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[KPMG]
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