朝食に関する調査 

2014年04月10日
マーケティング&リサーチ会社であるシタシオンジャパンは、早稲田大学の柴田重信教授(時間栄養学)監修の下、「朝食に関する調査」を実施。【調査実施期間:2014年3月24日~25日、調査対象者:20~50代男女1,200名】

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(平成24年)によると、朝食の欠食率は全体で男性12.8%、女性9.0%と年々順調に減少しています。今回の調査でも「朝食を重要だと思っている」という人は全体の7割、また「ほぼ毎日朝食を摂っている」人も同様に7割にのぼり、昨今の朝食ブームも手伝って朝食が浸透してきていることが伺えます。

しかしその詳細を見てみると、「おにぎりのみ」や「パンのみ」などといった、栄養バランスの偏った食事でも朝食とみなすという人が8割、更に、栄養バランスのとれた朝食を摂れている人がわずかに2割しかいないことが明らかとなりました。また、朝食を食べない理由としては「時間がないから」「食欲がないから」ということが主な要因として挙げられる結果となりました。

【調査結果サマリー】

■4 人に 3 人が「朝食は重要」と認識 実際に平日に毎日朝食を食べている人も7割
・朝食を重視する割合も、朝食の摂取状況も、年齢が上がるほど高くなる
・30 代男性、20 代女性では朝食を毎日食べている人は 6 割未満

■平日は「朝からリズムよく過ごしたい」一方で昼・夜に比べ軽視される朝食。「おにぎり・パンだけでも『食べた』」
・平日は、朝食<昼食<夕食の順で、朝食に比べ昼食や夕食を毎日食べる人は多い
・おにぎりだけ、パンだけでも“朝食を食べた”と思う人が 8 割

■4 割の人が朝食を摂りたくないときがあると回答、朝食を食べない理由は「食欲がない」「時間がない」
・4 割の人が朝食を摂りたくないときがあると回答
・朝食を食べない 2 大理由は「食欲がない」と「時間がない」
・朝食で大事にするのは「栄養バランス」より「時短」

■朝食の栄養バランスは 8 割の人が「不合格」!? 時間栄養学を知って「朝食時差ボケ」を解消しよう!
・大半が栄養バランスのとれた朝食を摂取できておらず不調を訴える人も多い
・時間栄養学の権威、柴田教授が忙しい現代人に朝食のアドバイス

【調査結果】

■4人に3人が「朝食は重要」と認識 実際に平日に朝食を毎日食べている人も7割

まず、朝食に対する重視度について尋ねたところ、74.4%と4人に3人が「とても重要」「まあまあ重要」と回答しました。男女ともに年代が上がるにつれてこの割合は高くなります。
また平日の朝食摂取状況については、およそ7割(70.6%)の人が「ほぼ毎日食べている」と回答、「週4~5回程度食べている」(8.4%)という人も合わせると、8割程度の人が概ね朝食を食べている結果となりました。ただし性年代別に見ると、男女ともに若年層で平日朝食の摂取率は低く、特に男性20~30代および女性20代では「ほぼ毎日食べている」という人は6割程度にとどまりました。これは「国民健康・栄養調査」(厚生労働省、平成24年)の「20~30代男性と20代女性の欠食率が高い」という結果とも合致し、朝食摂取については依然として啓発の余地があると言えます。

■平日は「朝からリズムよく過ごしたい」一方で昼・夜に比べ軽視される朝食、「おにぎり・パンだけでも『食べた』」

平日の理想の過ごし方について尋ねたところ、「朝からリズムよく過ごしたい」という人が93.7%と、ほとんどの人が一日の始まりとして朝を大切に捉えていることが分かります。
一方で、朝食を食べる時間を確保している人は74.1%と全体的に少なく(特に男性30~40代、女性20~30代)、また一日を通した食事摂取の割合を見ると、昼食や夕食を「ほぼ毎日食べる」という人はそれぞれ昼食83.8%、夕食92.3%と朝食よりも多く、昼食や夕食と比べるとまだまだ朝食は軽視されていることが伺えます。

ここで、朝食を重視する人とそうでない人とで、各自の朝食の定義には幅があるのではないかと考えられます。そこで「どんなものを食べた時にあなたは『朝食を食べた』と思うか」と尋ねたところ、「ご飯・おにぎりのみ」(81.7%)や「トーストのみ」(75.3%)といった主食のみの内容でも朝食とみなしている人が多い結果となりました。これを性年代別に、ご飯やパンのみの食事に絞って見てみると、男性は30代、女性は20代で朝食とみなしている人が多いことが分かりました。
その他、「サラダのみ」(25.3%)、「果物のみ」(24.3%)、「スープのみ」(22.2%)などの回答も見られ、とりあえず何かしら口にすれば大丈夫という認識の人もいるということが見受けられました。

■4割の人が朝食を摂りたくないときがあると回答、朝食を食べない理由は「食欲がない」「時間がない」

「朝食を食べない」という人は全体の1割程度(10.3%)でしたが、「朝食を摂りたくないと感じることがある」という人は4割を超え(42.9%)、またその半数程度(20.8%)が朝食を摂りたくないと感じる頻度として「週に一回程度以上」と回答しており、朝食を毎日欠かさず食べることは難しいことが分かります。
そこで朝食を食べないと回答した人に、朝食を摂らない理由を尋ねたところ、「食欲がないから」という人が49.5%と最も多く、次いで「時間がないから」が45.9%となり、これらが朝食を食べないことの2大要因として挙がりました。

「食欲がないために朝食を食べない」という人のライフスタイルを見てみると、睡眠時間については他の人と大きな差が見られませんが、夕食を摂る時間が遅い傾向が見られました。もう一つの朝食を食べない大きな理由である「時間がない」について、実際にどれぐらい「時間がない」のかを調べました。専業主婦などで「家を出ない」という人を除いて、平日の朝起きてから家を出るまでの時間は、「起きてから1時間以内」と回答した人が全体の47.4%で、フルタイムで働く人の半数以上(55.2%)になりました。

平日、朝食を作るのにかける時間についてはおよそ6割(58.2%)の人が「10分未満」と回答しました。朝食において意識していることも、「朝食の準備・片付けに手間がかからないこと」が69.2%と最も高く、「朝食が一日の活力になること」64.6%、「栄養バランスが整った健康的な朝食メニュー」50.6%を上回る結果となり、朝食を作るのにしっかり時間をかけて準備することは難しい状況であることが分かりました。

■朝食の栄養バランスは8割が「不合格」!?時間栄養学を知って時差ボケ解消、リズムの良い一日のスタートを!

調査の当日(平日の朝)に食べた朝食に含まれていたものを尋ねたところ、「乳・乳製品・卵」「魚介・肉類・豆・豆製品」「野菜・芋類・果物」「穀物・砂糖・油脂」の4分類[1]から、1つでも摂取していたら1点と換算した際、4分類がバランスよく摂れていた人が16.3%と非常に少なく、実に8割以上の人がバランスのとれた朝食を摂れていないことが明らかとなりました。最も多く摂取しているのは「穀物・砂糖・油脂」といったエネルギーで84.2%、逆に最も摂れていないのは「魚介・肉類・豆・豆製品」(40.2%)といったタンパク質でした。女性は男性と比べると比較的「乳・乳製品・卵」「野菜・芋類・果物」を摂取できていますが、それでも満足とは言えない状況です。
[1] 四群点数法(女子栄養大学)に基づく分類

続いて、平日の朝の身体の状態や気持ちについて尋ねたところ、「身体が重い」(47.3%)や「しっかり寝たはずなのに寝不足」(46.9%)、「目がなかなか覚めない」(33.9%)といった症状を訴える人がそれぞれいましたが、朝食の点数が低い人ほどこの割合が高くなりました。
朝食(食事の時間)と栄養の関係は、柴田重信教授の近年の研究分野で「時間栄養学」と呼ばれますが、これについての認知をたずねたところ、「知っている」 1.3% 、「聞いたことがある」13.9%という結果となり、まだまだ認知が広がっていないことが分りました。


【調査概要】
調査対象 :全国 20、30、40、50代の男女 各年代150名 合計1,200名
調査方法 :インターネット調査
調査実施会社 :株式会社シタシオンジャパン
調査実施期間 :2014年3月24日~25日

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[シタシオンジャパン]
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