女性の“擬態化”に関する調査 

2014年03月24日
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、20~30代の女性を対象として、「女性の“擬態化”」をテーマにした実態調査を行いました。
女性のあり方や嗜好などが多様化している現在、オス化女子、腐女子、枯れ女など、特定の女性たちをカテゴライズした呼称も増え続けています。しかし一方で、こうした自分のあり方や嗜好を隠すために、自分の本来の姿とはそぐわない行動をすることで、自分を“擬態”する女性も少なくありません。トレンド総研ではこのことに注目し、こうした現象を女性たちの“擬態化”と名付けた上で、調査を行いました。

【調査結果】

1. 「素の自分」を隠すために“擬態”する女性たち

◆ 女性の約7 割が「素の自分」を隠している…その内容とは?

はじめに、自分自身の趣味、性格、言動などの素の部分について、普段の生活の中で隠していることはありますか?と聞いたところ、71%と約7 割が「隠していることがある」と回答し、多くの女性が日常的に“擬態化”をしていると推測できる結果が出ています。

そこで、自分のどのような側面について隠しているか、以下のカテゴリに分けて調査を行いました。

・妄想癖: こうあったらいいのにと、物事に対して細かい妄想をしてしまう
・オス化女子: 言動や好みが男性化、おじさん化している
・枯れ女: 恋愛や見た目のおしゃれなどに興味がなく、女性であることを捨てかけている
・肉食女子: 恋愛に関して、男性を上回る勢いで積極的に行動している
・汚部屋女子: 部屋が片付けられなくて物やゴミであふれて汚くなっている
・腐女子: ボーイズラブ(男性同士の恋愛)を扱った小説や漫画などを好んでいる
・オタク趣味: アニメ、漫画、フィギュアなどにのめりこんでいる
・アイドルファン: アイドル(男性・女性問わず)の CD を購入したりコンサートに行ったり、追っかけをしたりしている
・サブカル趣味: メジャーではない小説、漫画、音楽など、いわゆるサブカルチャーと呼ばれるものを好んでいる

自分に当てはまるカテゴリのうち、周囲にそれを隠しているものとしては、「妄想癖」(56%)、「オス化女子」(42%)、「汚部屋女子」(35%)、「枯れ女」(33%)などに回答が集まりました。
さらに、これらのカテゴリのうち、「最も隠していることは何ですか?」と聞いたところ、最多回答は 29%と約3 人に 1 人が回答した「妄想癖」。次いで、「汚部屋女子」(19%)、「腐女子」(16%)と、若干の変動がある結果となりました。

◆ 2 人に 1 人が“擬態”中…“擬態化”の繰り返しで本当の自分が分からないことも!?

これらの現状について、周囲に隠し続けておくための方法として、自分の“素”ではない言動をとるかどうか= “擬態”をしているかどうかについて聞いたところ、51%と 2 人に 1 人が「“擬態”している」と回答しています。

“擬態”をしている理由としては、「まわりからの理解がなさそうな内容だから」(47%)、「自分の対外的なイメージが崩れるから」(44%)、「世間的にあまり支持率が高くない内容だから」(38%)などがあがっています。周囲からの共感が得られないものについては打ち明けないというスタンスの女性が多い傾向にあるほか、自身のイメージを左右してしまうと感じているために表に出さない人が多いようです。また、「実年齢がゆるさないから。」(39 歳)、「社会人として我慢。」(39 歳)といった、社会的な立場を気にした理由もありました。

そこで、“擬態化”の方法についても調査を行ったところ、どのカテゴリでも、「そういう話題になっても興味を示さない。(33 歳)」と、興味がないふりをするという回答が非常に多くあがりました。周囲との話の流れで隠していることについて触れたときも、「同じ職場の方で自分と同じような趣味がある人はそれを公表しているが、まったく興味のない言動をとるようにしている。(30 歳)」や、「そういう人もいるよね、と人ごとのように話す。(39 歳)」のように、やはり興味がないふりをする、もしくは、当たり障りのない返事にとどめるという回答が目立っています。その一方で、「その話題になるとなぜか反発して、反対の意見を言ってしまう。(31 歳)」といった声もみられ、“素”の自分を出さないようにするあまり、つい否定的になってしまう人もいるようです。

2. “擬態化”によるフラストレーションの有無

◆ 嘘ではなく「マナー」?約7 割が「“擬態”は苦しくない」と回答

様々な方法で “擬態化”している女性たちですが、周囲へ打ち明けることなく、自分の中にとどめておくことで、息苦しさはないのでしょうか。“擬態化”している女性のうち、43%はその内容を「打ち明けられる場がある」と回答しており、話せる人もいるという結果が出ていますが、10%が「打ち明けられる場が昔あったが、今はない」、47%が「打ち明けられる場所はない」と回答しており、約6割と半数以上の女性は、やはり自分の内だけにとどめています。
ただし、「“擬態化”していることを苦しく思うことはありますか?」と聞いたところ、73%と大多数が、「ない」と回答。ほとんどの人は、“擬態化”している内容や、“擬態化”していること自体について、特に苦には感じていないことが分かりました。


【調査概要】
調査名:女性の“擬態化”の実態に関する調査
調査対象:20代~30 代女性500名 (年代別に均等割り付け)
調査期間:2014年3月20 日(金)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[トレンド総研]
 マイページ TOP