「インターネット動画広告」に関する調査 

2014年03月07日
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、「インターネット動画広告」に関する調査を実施。インターネット動画広告に関する現状動向を調査し、2017年までの市場規模の予測を行いました。

(*1)インターネット動画広告
本調査で対象とするのは、インストリーム広告と呼ばれる、インターネットを介して提供される動画コンテンツの前後、あるいは中間に挿入されて一定時間表示される動画の広告。

(*2)2013年のインターネット広告市場
シード・プランニングでは、2013年の国内インターネット広告市場規模を6,576億円と推定。

(*3)2017年のインターネット広告市場
シード・プランニングでは、2017年の国内インターネット広告市場規模を9,306億円と推定。

【調査結果のポイント】

国内のインターネット動画広告市場は、
◆2013年132億円、前年の3倍以上の規模に拡大
 インターネット広告市場全体に占める動画広告構成比は2%


・従来テレビCMを中心に自社商品・サービスの広告宣伝活動を行ってきた大手広告主企業は、テレビCMではリーチしきれないユーザー層が一定の割合で徐々に増加しつつあるという認識のもと、インターネット動画広告を活用した広告宣伝に対する関心が高まりつつある。これを受けてインターネット広告業界では広告会社や媒体社が高付加価値で高い収益性が期待される動画広告商品の提供に向けた取り組みを進めてきた。

・2012年頃より、すでにインターネット動画広告が広く普及している欧米地域に拠点を置くグローバル企業が日本においても大手動画共有サイトの動画広告に対する大規模な出稿を行い、注目が高まった。

・この流れを受けて、国内大手広告主企業もインターネット動画広告に対する関心が高まり、これを組み込んだ広告宣伝活動を行う取り組みが進展した。

・またこの頃、大手広告会社が主に大手動画共有サイト向けに、ユーザーが一定時間以上広告を視聴した場合に課金されるという、従来にない料金体系による動画広告の提供を本格的に開始した。これを機に、インターネット動画広告に対して広告主や広告会社から大きな注目を集め、その結果動画広告を活用した広告宣伝活動に対する機運が高まった。

・2013年は20代~40代前半のユーザーをターゲット層に含む自動車メーカーや、化粧品・トイレタリー商品などのコンシューマー向け商品を提供する大手広告主など、テレビCMを出稿している広告主を中心にインターネット動画広告の需要が拡大した。

・また大手広告配信会社が、インターネット上で手軽にインターネット動画広告を出稿できる環境を整備したことにより、テレビCMを出稿する大手広告主企業のみならず、プロモーション用のデジタル動画コンテンツを持つ中堅・中小規模の広告主による出稿も顕著となり、しており、インターネット動画を出稿する広告主層が広がる傾向が見られた。

・これらを背景に、2013年のインターネット動画広告市場規模は132億円、対前年比329.4%と急速に成長した。これは、同年の国内インターネット広告市場全体の2%に相当する。

・米国インターネット広告市場においては、2013年上半期(1-6月期)における動画広告のインターネット広告市場全体に占める構成比は7%といわれており、国内インターネット広告市場においても動画広告の高い潜在性が見込まれる。


国内のインターネット動画広告市場は、
◆2017年に640億円、2013年の約5倍の規模に拡大
 インターネット広告市場全体に占める動画広告構成比は6.9%まで増加


・インターネット広告市場においては、2013年頃より国内外の大手広告会社や媒体社、ITベンチャー企業によるインターネット動画広告ビジネスへの参入が数多くみられる。

・インターネット広告市場では、これまでインターネット動画広告を表示する媒体側の広告在庫が米国などの海外市場と比べて限られているという課題が指摘されてきたものの、2014年は媒体社側において、動画コンテンツの提供によりユーザーの満足度を高め、収益拡大を目指すという目的のもと、その収益源としてインターネット動画広告を据えたビジネスの構築を目指す取り組みが進みつつある。

・また大手広告会社の中には、インターネット動画広告ビジネスを今後の成長戦略に位置付ける、あるいは動画広告を取り扱う組織を立ち上げるなどにより、広告主のマーケティング活動におけるインターネット動画広告の活用を積極的に提案するなど、インターネット広告業界全体で市場を活性化させる動きがみられる。

・近年では、スマートフォンの普及やそのインターネット通信環境の高速化が進み、ユーザーによるスマートフォン経由での動画コンテンツの視聴が増加しつつある。これに合わせて、スマートフォン動画広告の需要拡大に対する期待も高まりつつある。

・また、広告配信技術の進展により、動画広告の配信手法も多様化が進みつつある。ユーザーの属性や、インターネット上での行動などをもとに、広告主企業が自社商品・サービスのターゲットに対し、適切なタイミングや広告クリエイティブを配信・表示をさせるような取り組みも普及しつつある。

・タブレット端末やスマートテレビの普及が進みつつあり、インターネット動画コンテンツの視聴形態の多様化の進展とともに、インターネット動画広告の配信先がより多様化することが予想される。

・これにより、広告主企業にとりインターネット動画広告の新しい活用方法が生まれ、新たな需要に結びつくことが期待される。

・これらを背景に、インターネット動画広告市場規模は成長を続け、2017年には640億円、国内インターネット広告市場全体の6.9%の規模に達すると予測する。



【調査概要】
調査対象:インターネット広告業界各社
調査方法:訪問取材及びオープンデータ調査
調査期間:2013 年10月~2014年3月

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[シード・プランニング]
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