「全国8800の駅周辺1km商圏の地域特性」を分析 

2014年02月07日
野村総合研究所(NRI)は、NRIの独自データベースを用いた、「全国の駅周辺1km商圏の地域特性分析」を2014年1月に実施。
本調査では、総務省の国勢調査をはじめとする公表データに加え、NRIが独自推計したデータベース(全国約18万の町丁目単位)を用いています。分析の結果、2013年から2030年にかけて「周辺エリアの金融資産(預貯金)残高が大きく伸びる駅」、および、現時点で「周辺エリアで住宅リフォームのニーズが強い駅」について、それぞれ1位から20位までを抽出しました。調査から得られた主なポイントは、以下の通り。

金融資産の大きな伸びが期待されるエリアは「東京の東側」

2013年から2030年にかけて、周辺1km商圏(半径1kmの円内)に居住する人の金融資産(預貯金の総額)が大きく伸びると期待される駅は、「京葉線・日比谷線の八丁堀駅」で、1554億円(26%)の金融資産増加が予想されます。

周辺エリアの金融資産が大きく伸びる駅の特徴として、「現在の世帯あたり金融資産が大きい」、「駅周辺1km圏の世帯数が多く、また今後も増える」、「30代から40代の年齢層が多い(これから金融資産形成が進む)」という3点が共通しています。八丁堀駅以外にも、「都営新宿線の浜町駅(2位)」、「山手・京浜東北線の田町駅(3位)」、「有楽町線の豊洲駅(4位)、「半蔵門線の水天宮駅(5位)」のように、東京臨海部や東京駅の東側エリアに位置する駅が多く見られます。

駅により「地域住民特性の差」が大きいことを30に区分したタイプ分析で把握

駅周辺の1km圏内であっても、そこに居住する人々や保有金融資産等は一律ではありません。そこでNRIでは、全国約18万の町丁目単位で住民特性について分析し、主に金融の視点から30種類に区分した金融版居住者特性エリアタイプ(以下「エリアタイプ」)を開発しました。

このタイプ区分を用いて、「周辺エリアの金融資産(預貯金)残高が大きく伸びる駅(上位20)」について、周辺1km圏内のエリアタイプ別世帯数構成比を分析したところ、駅により地域住民の質的な特性が異なることを可視化しました。たとえば「豊洲駅(4位)」と「三田駅(6位)」を比較した例では、豊洲駅の周辺には下記3つのタイプに属する町丁目(世帯)がほぼ等分で存在するのに対し、三田駅ではCL28タイプだけで三分の二を占める構造であることが分かります。

CL24タイプ:金融資産も多いが住宅ローンの負担も大きい30代が多く住む高層マンション地域
CL28タイプ:40代後半で情報通信や金融・不動産に従事する人が多く準富裕層比率が最も高い地域
CL30タイプ:公益事業に従事し郊外の高層マンションに住む人が多く将来性が高い地域

周辺で住宅リフォームの潜在ニーズが大きな駅は「東京西部地域」に多い

NRIでは、地域別の潜在的な住宅リフォーム需要件数に比例する、独自指標「リフォームニーズ指数」を新たに開発しました。それを集計した結果、周辺1km商圏でリフォームの潜在ニーズが最も強い駅は、「東急目黒線の武蔵小山駅」でした。上位20駅には、「都営浅草線の戸越駅(2位)」、「JR中央線・都営大江戸線の東中野駅(3位)」など、東京西部エリアの「成熟した都市」に位置する駅が多く見られます。

金融資産(預貯金)が大きく伸びる「東京臨海部を含む東京東部エリア」は、東京オリンピックの開催地域とも重なることから、魅力が相対的に高まっていくことが予想されます。また、住宅リフォームニーズが強いエリアという指標からは、「成熟した東京西部エリア」という側面がうかがえます。

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[野村総合研究所]
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