スマートフォンの電波改善実感度に関する調査 

2014年01月16日
ICT総研は、スマートフォンの電波改善実感度に関する調査結果をまとめた。携帯電話キャリアは、揃ってiPhoneを取り扱うことになったことにより端末面での差別化ができなくなり、ネットワークやサービス面で差別化する状況にある。

今回は、各携帯電話キャリアがつながりやすさや通信速度などのネットワーク面を改善(向上)している状況を、ユーザーがどの程度実感しているのかを調べることを目的とした。調査期間は2013年12月28日から30日まで。Webアンケートを利用した。調査対象は、NTTドコモ、au (KDDI)、ソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)の3社のスマートフォンユーザー(個人ユーザー)2,700人。Webアンケートにありがちな都市部の回答者偏重の傾向を避けるため、全国を9地域(北海道、東北、関東、中部、北陸、近畿、中国、四国、九州)に分割し、地域ごとに各携帯電話キャリア100人ずつ回答してもらう形式を採った。

【調査サマリー】

■ 電波改善を最も実感しているのは、ソフトバンク利用者。

■ 「データ通信」、「メール・音声通話」の現在の満足度でも、ソフトバンクがトップ。

■ 各携帯電話キャリアのネットワーク改善の取り組み詳細についての認知は、まだ途上。


【調査結果】

■ 電波改善を最も実感しているのは、ソフトバンク利用者。

 調査の結果、スマートフォンの電波改善を最も実感しているのは、ソフトバンクユーザーであった。回答者900人のうち、48.4%が「(スマートフォンの電波状況が)以前より良くなったと感じる」、または「以前よりやや良くなったと感じる」と回答した。auが同37.6%でこれに続き、NTTドコモは同31.4%であった。電波状況の「改善」実感を聞いているため、以前から満足度が高い場合には改善の実感は薄くなるが、ソフトバンク利用者が感じている改善実感度の高さには驚かされる。また、各社とも、「以前より悪くなったと感じる」、「以前よりやや悪くなったと感じる」と回答した割合は10%未満であり、全体的に電波状況が改善されていることが実感されている様子が分かる。

■ 「データ通信」、「メール・音声通話」の現在の満足度でも、ソフトバンクがトップ。

 同様に、スマートフォンの「データ通信」と「メール・音声通話」の現在の満足度を利用者に聞いてみると、100点満点換算した満足度ポイントで、こちらもソフトバンクがトップとなった。「データ通信」の満足度はソフトバンクが59.6ポイント、auが58.4ポイント、NTTドコモが57.2ポイントとなり、「メール・音声通話」の満足度は、ソフトバンク 64.5ポイント、au 63.3ポイント、NTTドコモ 62.0ポイントであった。全体的に、「データ通信」の満足度よりも、「メール・音声通話」の満足度の方が高い傾向がある。

■ 各携帯電話キャリアのネットワーク改善の取り組み詳細についての認知は、まだ途上。

 各携帯電話キャリアは、つながりやすさや通信速度の高速化などのネットワーク改善の取り組みに非常に注力している。だが、アンケートの結果からは、その取り組みの認知はまだ途上であると読み取れる。NTTドコモの「Xi」(クロッシイ)、auの「au 4G LTE」、ソフトバンクの「SoftBank 4G LTE」など、各社が提供する高速通信サービスの名称自体は認知度が高い。NTTドコモユーザーの85.6%、auユーザーの78.4%、ソフトバンクユーザーの73.4%がその名称を認知している。だが、実際にその高速通信サービスの提供速度はどの程度なのか、どのように拡大しているのか、今後の提供予定はどうなのかなどの取り組み状況詳細については、各社のユーザーであっても認知度が低い。auユーザーの41%が、「auがプラチナバンドでLTEを提供している」ことを知っていることが目立つ程度である。各社ともにネットワーク改善に本気で取り組んでいるわりには、その実態がユーザーに認知されていない点が残念だ。

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[ICT総研]
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