高大接続に関する調査(結果速報) 

2014年01月23日
ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、全国の高等学校長および大学の学科長を対象に、高大接続の諸問題(入学者選抜、入学前教育、初年次教育等)について調査を実施(主査:川嶋太津夫大阪大学教授)。今回は速報として、現在、国で審議されている大学入試改革の方向性に関する高校側・大学側の賛否について報告するものです。

【調査結果】

1.共通入試を基礎に大学が多面的な評価を加える入学者選抜には、高校・大学ともに6割程度が賛成。
  賛否双方に試験の公平性に対する問題意識がみられる。


「共通入試を基礎とした上で各大学が多面的な評価を加えて実施する入学者選抜」については、高校の63.0%、大学の60.7%が「賛成(賛成+どちらかといえば賛成の合計)」と回答。自由記述では多面的な評価を歓迎する声がある一方で、選抜における公平性を疑問視する回答も目立つ。

2.「現在のセンター試験の廃止」、「2種類の達成度テスト導入」には、高校で反対する割合が高い。
  高大ともに新しいテスト導入の意義を問う声があがっている。


「現在のセンター試験の廃止」については、高校で反対する割合(どちらかといえば反対+反対の合計)が高い(高校;賛成19.6%、反対41.6% 大学;賛成26.8%、反対28.8%)。特に、「国公立大学や難関私立大学への進学者が多い」高校では、反対が半数を超えた(51.7%)。また、「基礎レベル・発展レベルの2種類の達成度テスト導入」については、高校で賛成27.2%、反対41.4%、大学で賛成37.4%、反対24.9%と、高校では反対の比率が高く、大学では賛成の比率が高い。自由記述では、「センター試験と何が違うのか」「なぜセンター試験を廃止する必要があるのか」等の声が多い。

3.「達成度テストの複数回受験」は、高校で反対が賛成を上回る。高校の教育活動への影響を懸念。
  一方で、達成度テスト(基礎レベル)の推薦・AO入試での活用には高校・大学ともに賛成が多い。


「達成度テストの複数回受験」については高校で賛成31.8%、反対40.6%、大学で賛成43.6%、反対23.2%と、高大での認識が分かれた。高校では、特に、「国公立大学や難関私立大学への進学者が多い」高校の反対率が高い(57.5%)。一方、大学では私立の賛成率が高い(46.4%)。高校の自由記述では、行事や部活動への影響を懸念する声や、学習がテスト・受験対策中心に偏ることを危惧する声が多かった。一方で「達成度テスト(基礎レベル)の推薦・AO入試への活用」は高校の46.9%、大学の48.3%が賛成と回答。特に私立大学の自由記述では、基礎学力把握への活用に賛成する声が多い。

4.「達成度テスト(発展レベル)の結果の段階別表示」についての賛否は均衡。

「達成度テスト(発展レベル)の結果の段階別表示」については、高校・大学ともに賛否が均衡した(高校;賛成32.2%、反対31.3% 大学;賛成30.5%、反対27.4%)。自由記述では、「順位や合否が決めづらい」等の声が多くあがっている。

5.入試制度改革による高校生の学習積極化への期待は高校・大学ともに高くはない。
  高校では、高大接続改革で解決しようとしている「高校側の課題」が何であるか不明確と感じている。


「大学入試を改革すれば高校生はもっと積極的に学習に取り組むだろう」との問いに対して、高校では「そう思う(とてもそう思う+まあそう思うの合計)」が48.4%、「そう思わない(あまりそう思わない+まったくそう思わないの合計)」が51.1%とほぼ均衡。一方、大学では「そう思う」が34.9%、「そう思わない」が64.0%であった。また、高校側の79.6%、大学側の72.2%が「大学での進級や卒業の認定基準をもっと厳しくしたほうがよい」と回答している。さらに高校では71.7%が、政策上の高大接続の議論において「高校にとって何が重要な課題なのかが分かりづらい」と回答している。


【調査概要】
・名称:高大接続に関する調査
・調査テーマ:高大接続の実態・課題をとらえる
・調査方法:郵送法による質問紙調査
・調査時期:2013年11月~12月
・調査対象:
 高校  校長 1,228名(配布数 2,500通、回収率49.1%)
  *全国の全日制高等学校のリストより、無作為に学校を抽出。
 大学  学科長 2,015名(配布数5,060通、回収率39.8%)
  *全国の学部・学科リストを利用し、その全てに配布。
 ただし大学院大学、放送大学、通信制のみの大学、社会人が主な対象である学部・学科等を除いている。

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