バブル世代のライフスタイルと旅行消費に関する調査 

2014年01月10日
JTB総合研究所は、「バブル世代のライフスタイルと旅行消費に関する調査」を実施。

昨年3月にシニアのライフスタイルと旅行消費について調査しましたが、バブル世代はシニアに続く消費のけん引者になりうるのか、当時(学生~社会人数年目)の消費や旅行の経験も含めた、現在の消費や旅行に関する動向・意識などについてアンケート調査を実施した。

【調査概要】
・調査対象:首都圏、名古屋圏、大阪圏に居住する、過去3年以内に宿泊を伴う旅行(業務による出張、帰省を除く)をしたことがある、1959年~1970年生まれの男女 1,651人
・調査方法:インターネットアンケート調査
・調査時期:2013年11月13日~18日

【調査結果】

1.回答者プロフィール

同居家族は、「夫婦と子ども(末子が 18歳未満)」が 29.7%と最も多い。年齢と同居家族の関係をみると、40~44歳は「夫婦と子ども(末子が未就学)」が、45~49歳は「夫婦と子ども(末
子が 18 歳未満)」が、50~54歳は「夫婦と子ども(末子が 18歳以上)」が、それぞれ高い割合である。また、同居家族が「親のみ」(配偶者なし)、「自分ひとり」の男性はそれぞれ 66.0%、61.5%と他の層に比べやや高い割合である。
未婚・既婚については 74.3%が「既婚」、子どもの有無については 60.4%が「子どもあり」である。

2.世帯年収が高いのは、子どもが大きくなっている世帯や夫婦のみの世帯。18歳未満の子どもを持つ世帯や親のみと同居する世帯は、親からの資金的支援も多い。

世帯年収は、全体では600~800万未満が21.3%と最も多く、400~600万未満(19.9%)、800~1,000万未満(16.7%)と続く。1,000万円以上が多いのは、同居家族が「夫婦と子ども(末子が18歳以上)」(29.8%)、「夫婦のみ」(19.1%)である。末子が18歳以上の世帯は、本調査対象の中では年齢が高めであること、夫婦のみの世帯は共働きが多いと思われることが理由と考えらえる。一方、同居家族が「親のみ」「自分ひとり」は600万円未満が半数以上である。特に、同居家族が「親のみ」の場合、世帯年収400万円以下は26.5%であるが、個人年収400万円以下は男性で48.5%、女性で64.0%であり、世帯として独立するには収入的に厳しい状況にある可能性が考えられる。

生活のための親からの支援の状況は、同居家族が「親のみ」で、親から“日常的な生活資金の支援を受けている”が17.0%と他の層に比べ高い。しかし、金銭的な支援全体(日常的な生活資金の支援、大きな出資の際の支援、その他の資金的な支援の合計)でみると、同居家族が「親のみ」(27.9%)に次いで「夫婦と子ども(末子が18歳未満)」(22.6%)も高い。この層は子どもの進学など教育面での負担も大きいため、親から資金的な支援を受ける場合が多いと考えられる。

また、今後5年ぐらいの間での生活上の心配事について、自由記述で多く記載されたキーワードを抽出すると、子どもの小さい層(末子が未就学あるいは18歳未満)では「子ども」、それ以外では「健康」が多くあげられた。なお、同居家族が「親のみ」で、「健康」のほかに「親」「収入」が挙げられていることも、この層が収入的に厳しい状況であることをうかがわせる。

3.気に入ったものは、「本当に良いものならば予算を超えても購入する」46.4%。

アンケートでは、自分が最も気に入った高級品(鞄や時計など)が、予算よりやや高額だった場合にどのような行動をとるのか尋ねた。
その結果、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」が約半数の 46.4%であった。男女別にみると、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」は、男性の同居家族「夫婦のみ」で 53.4%と高い。この層の男性は経済的なゆとりや精神的なゆとりがあるものと思われる。また、女性の「自分ひとり」は年収 400 万未満が53.8%にもかかわらず、「本当に良いものだと思えば、予算を超えても購入する」が 52.5%と他に比べやや高い。バブル世代は、大学生や若手社会人の頃に質の良いモノやコトを知る機会があったことが、こうした良いモノに対しては妥協しない気質につながっていると思われる。

4.景気は回復傾向も、約6割は「収入は変わらず、支出は増加あるいは変わらない」。

政府による経済政策により景気は回復傾向にあると言われるが、自身の収入は 66.3%が「変わらない」であった。また、収入が変わらないと答えた人の支出の変化は、「使うお金は変わらない」が 37.7%、「使うお金は増えている」が 22.8%であり、計 60.5%が支出は横ばいあるいは増加であった。企業の業績は回復してきているが、バブル世代の家計はその恩恵をうけていないようである。

5.消費税増税後、節約したくないもの:男性は「国内旅行」、女性は「日常の食料品・食費」。

今年4月から消費税率が5%から8%にアップする。増税後に節約したくないものでは、男性では「国内旅行」(31.5%)、女性では「日常の食料品・食事」(32.8%)が最も高い。男女別にみると、男性の方が自分の趣味や外食代といった楽しみの面を節約したくない傾向がうかがえる。一方、女性は「美容院の費用」の割合が高く、身だしなみにかかわることは節約したくないことがわかる。なお、「子どもや孫の教育費」は、全体では概ね 20%程度の回答割合であるが、子育て中の層の回答割合は40%以上と非常に高く、自分の趣味などの支出は抑えても、教育の面では妥協したくないという意向がうかがえる。

6.「ファストファッション」は全ての層で購入されている。同居家族が「自分ひとり」はファッションの志向は大きく変わらず、「子供あり」はよりカジュアルに。


服飾品や身の回りのもので現在良く購入するブランドは、ファストファッション(ユニクロ、GAPなど)が65.7%と、他のブランドに比べ非常に高くなっている。なお、18~25 歳当時に良く購入したブランドは、渋カジブランド(ラルフローレン、ビームスなど)が最も高い割合ではあるが、他のブランドとそれほど大きな差はなかった。

購入するブランドの変化については、家族構成を問わずファストファッションの購入割合は高いが、独身者(同居家族が「親のみ」および「自分ひとり」)は 18~25 歳当時と購入するブランドの傾向が比較的変化していない(例えば、18~25歳当時、スポーツブランド(ナイキ、アディダスなど)を購入していた独身者は、現在も 73.2%がスポーツブランドを購入している)。一方、子どものいる人は、他に比べ国内カジュアル(しまむら、ライトオンなど)の割合が高い。家族構成の変化により、購入するブランドの変化にも違いが表れている。


7.買い物(日用品以外)の情報源は、紙媒体とインターネットを使い分け。 女性は「通販会社のカタログ」からの情報取得も多い。

買い物(日用品以外)の情報源は、男女とも「新聞の折込チラシ」が最も高かった(男性 44.7%、女性 50.1%)。男性は「インターネット」が次に高い(33.6%)が、女性は「インターネット」(32.1%)よりも上位に「家族や友人の口コミ」(49.8%)、「通販会社のカタログ」(34.6%)がきている。
同居家族別では、「自分ひとり」は新聞の折込チラシは低く、この層はそもそも新聞を取ってない可能性も考えられる。一方、インターネットは、女性の「自分ひとり」で高い。女性の場合、子育て層はママ友などとの会話や通販などで、ひとり層はインターネットを情報源にしているのだろう。
本調査はインターネットアンケートで実施しているが、新聞の折込チラシをはじめ、通販会社のカタログ、新聞記事や広告も高いことから、同居家族が「自分ひとり」を除けば、バブル世代はまだ紙媒体を情報源として積極的に活用している世代と言えよう。

8.今後5年ぐらいの間では「旅行」にお金をかけたい。しかし子育て中の層は「子どもや孫のための教育や貯金」がより重要。


9.旅行の頻度は「夫婦のみ」の層が高い。海外旅行の方面は、韓国、ハワイが人気。

10.旅行の同伴者、子どものいる層でも、下の子が 18 歳以上になると「夫婦のみの旅行」が増加。 旅行のきっかけは「友人や家族との会話」56.2%。

11.旅行を決める際に重視するもの:男性「リフレッシュできるか」、女性「美味しいものが食べられるか」。子どもが小さい層では「子どもの教育のためになるか」も重要。

12.旅行の手配方法、国内は7割以上が「インターネット」。海外は同居家族で差がでる。

13.海外旅行の形態、18~25 歳当時「パッケージツアー」を良く利用した人は、現在も利用率高い。海外旅行の行き先は、既婚者「ハワイ」「グアム/サイパン」、独身者「アメリカ(西海岸)」「香港/マカオ」と違い。

14.旅行に持って行くもの、国内旅行で男性は「ガイドブック」と「スマートフォン」が高い。海外旅行は男女とも「ガイドブック」の割合高い。

15.バブル世代を5つの意識・行動タイプに分類。バブル世代を象徴するのは「高アンテナ」タイプだが、ボリュームは「メリハリ消費」タイプが最も多い。

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