いまどきの子どもの「未来予想」調査【後編】 

2014年01月06日
Benesseは、小学1年生~高校3年生のお子さまを対象に、現在の日本や世界をどのように見ているのか、という視点から、時系列を追って未来の自分そして日本や世界をどのようにイメージしているのか、子どもたちの考えを調査した。
【後編】では東京オリンピック・パラリンピックが開催される6年後の2020年と、さらに未来の2050年の日本がどうなっているかなどについて調査を行った。

【調査結果】

2020年、2050年も「現在の延長線上」。楽観しない子どもたち

子どもたちが、未来の世の中をどのようにイメージしているのか、見ていきましょう。
こちらもさまざまな観点から意見が挙がってきましたが、現在の日本や世界を見ている視点と比較すると、情報技術やロボット技術など、科学技術に関する視点が多いことがわかります。また、進歩のレベルも、たとえば交通網に関して2020年はリニアモーターカーなど現時点でも計画されているもののレベルであることに対し、2050年はワープ(物質が瞬時に移動すること)といったまだ空想の世界のものでしかない技術にまで思いをはせており、未来に向けて科学技術がさらに発展していくイメージを持っているようです。

また、国際関係について見てみると、グローバル化に伴う英語の必要性を感じており、2050年には世界平和が実現している、というイメージを持っている子どももいるようです。しかし、2050年の世界から戦争がなくなっているか聞いてみたところ、65.4%にも及ぶ子どもが「なくならない」と回答しています。

その理由として、以下のように現在も原因となっている国の間の経済格差や資源の争奪、宗教・民族問題といった問題が今後もなかなか解消しないだろう、という意見は多く見られました。

日本の未来予想図は?


次に、日本に限定して、2020年、2050年のイメージを聞いてみました。
すると、科学技術の視点が多かった「世界的な未来の世の中」のイメージとは異なり、気候・風土、経済、治安・安全・福祉、国際関係といった、図3に示したような「今の日本の嫌いなところ」が解消されることを望む声が多く見られました。
子どもたちは、2020年、2050年といった未来も現在の延長線上としてとらえており、自らにも大きく影響する日本の課題をきちんと意識していることがわかります。特にオリンピック・パラリンピックの開催により、経済が活性化し好景気になること、外国とのつながりが深まり、外交関係が良好になること、といった日本にとってメリットがある効果を期待する声が多く見られ、「スポーツの祭典」以外の視点も持ち、未来を見据えていることがわかります。

オリンピックを機会に、子どもたちは日本のよさを再認識。自慢できる誇らしい日本!

最後に、子どもたちも日本への良好な影響を与えると意識している2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて聞いてみました。
87.8%の子どもが東京での開催が決まった時「うれしい」と感じ、86.6%の子どもが「楽しみ」と回答しています。

その理由としては、図8にもあったように「日本の経済効果が期待できるから」「日本が世界で注目されるから」といった日本へのメリットがある、という視点から「友達が出られるかもしれないから」「歴史に残る時に自分も存在できるから」という、歴史的な出来事が身近で起こることへのワクワク感を感じる声も多数見られました。
ただ、東京オリンピック・パラリンピック観戦のために、外国の人が日本にやってくることについても聞いてみたところ、「楽しみ」と答えた子どもは74.5%と若干ダウン。あまり楽しみではない、という意見では「日本人と外国人では、マナーが違うから」「治安が悪くなりそう」「犯罪増加が心配」という声も。

しかし、「外国の人と交流したい」「外国の人に日本のいいところを知ってほしい」という声が多数を占めており、その「いいところ」としては、図2で子どもたちが「日本の好きなところ」として挙げている「おもてなしの心」「親切、思いやり、マナーのよさ」「おいしい食事」「綺麗な景色」「安全、治安のよさ」「アニメなどのサブカルチャー」「交通機関の正確さ」が数多く見られました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催は、きっと、子どもたちにとって自分たちが普段感じている「日本のよさ」を再認識する機会にもなるのでしょう。

今回のアンケートでは、日本と世界の未来について子どもたちの思っていること、イメージを聞いてきましたが、どの項目でも必ず子どもたちが持っている観点は、日本と外国の関係性や世界での戦争の有無といった「国際関係」でした。


【調査概要】
アンケート期間:2013/11/27~2013/12/03
回答者数:1626名
アンケート対象:小学1年生~高校3年生のお子さま

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[Benesse教育情報サイト]
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