近居に関する調査
2013年12月13日近年、親世帯と子世帯の同居率は、約25年間で30%近く低下し、親と子が別々に居住する世帯が増えています。その一方で、親世代の住まいまで1時間以内の場所に住む「近居」の形をとる子世帯が増加しています。本レポートでは、増加傾向にある「近居」に着目し、「近居と遠居」、「親世帯と子世帯」、「息子近居と娘近居」の比較により、どのような理由で近居を選んでいるのか、また近くに住むことによってどのような交流がなされているのか、親子二世帯の交流実態と意識を明らかにしました。
【調査結果のポイント】
※近居の一般的な定義が存在しない為、本レポートでは以下のように定義した。
自分の親世帯あるいは子世帯と『近くに住んでいる』と、
意識している → 近居
意識していない → 遠居
◆近居と遠居の比較
・相手世帯までの移動時間は、近居の約9割が1時間以内、遠居の約8割が1時間超となっており、近居意識の有無は、移動時間1時間がひとつの目安になっている。
・近居では85.5%が月1日以上相手世帯と会っている。一方遠居は35.9%にとどまっている。近居では週1日以上も42.4%と相手世帯と会う頻度が高い。
・相手世帯との交流内容は「食事」「電話・メール」「モノをあげる」「お祝い」が上位に挙がっている。遠居よりも近居の方が交流を行う割合が高い項目が多いが、遠居も直接会う頻度は低いが、交流は近居と変わらず行っている。
・一緒に行うお祝いは「お正月」「孫の誕生日」が多く、近居・遠居の約7割が行っている。近居の方が一緒に行うお祝いが多いが、「七五三」は遠居の方が多い。
◆近居する親世帯と子世帯の意識
・近居を選んだ理由は、子世帯の約5割、親世帯の約3割が「何かあったときにすぐ駆けつけられるから」を挙げており、最上位となっている。
・子世帯の方が親世帯よりも近居の理由を多く挙げている。満足度は親世帯の方が高い。
・子世帯の76%、親世帯の92%が、相手世帯との関係に満足している。
◆「娘世帯との近居」と「息子世帯との近居」の比較
・娘世帯との近居の方が、息子世帯との近居よりも満足度が高い。
・息子世帯(嫁)は親世帯と「距離をおいた」関係、娘世帯(娘)は親世帯と「楽しみや悩みを共有できる」関係を理想とする傾向がある。
・相手世帯との関係の理想と現実のギャップは、「息子近居」の方が「娘近居」より大きい。
・親世帯は「娘近居」「息子近居」ともに、約9割が相手世帯との関係に満足している。一方子世帯の満足度は「娘近居」で約8割、「息子近居」では約6割と差が大きい。
【調査概要】
定量調査「近居に関する調査」
調査時期:2012年10月
調査方法:インターネット調査
調査対象:一都三県在住 20~70代既婚女性(別居する親または既婚の子がいること)
回答者数:501名
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