野菜・果物の消費行動に関する調査 

2013年11月27日
JC総研は、農畜産物の消費行動をテーマに全国の消費者を対象とした Web 調査を実施しています。調査の19回目として「野菜・果物の消費行動に関する調査」を2013年7月に実施しました。

【調査結果】

1.単身層・若年層で野菜を食べる頻度が減少

野菜を「ほぼ毎食」きちんと食べるという人は、全体で 28.0%と前回より 1.9 ポイント減少し、属性別でも単身男性を除き減少した。また、『毎日』(「ほぼ毎食」+「ほぼ毎日」)も 64.7%(前回69.8%)と前回を下回り、全属性で減少した。単身男性では 35.1%と毎日野菜食べている人は 3 人に 1 人である。一方で、「週に 1 日未満/食べない」は 22.0%(同 16.8%)と増加し、単身女性でも 12.4%(同 5.6%)と単身層で野菜を食べない人が増え、食生活の偏りが懸念される。

年齢層別に見ると、『毎日』は属性別同様に全年齢層で減少した。特に 20 代以下では、『毎日』は 38.5%(同 49.0%)と大きく減少した一方で、「週に 1 日未満/食べない」は 20.9%(同 7.7%)と激増している。また、今回調査では、40 代以下で「ほぼ毎食」は 2 割未満であり、年齢層が下がるに伴って摂食頻度が低くなる傾向が続いている。この年代は概ね子育て世代と言え、子供たちにおける影響が危惧される。

2.果物を食べる頻度は、単身男性で『毎日』、『週に1日未満』ともに増加

全体では『毎日』(「ほぼ毎食」+「ほぼ毎日」)が 31.5%(前回 33.5%)とやや減少した。単身女性は 34.0%(同 28.2%)、単身男性は 16.0%(同 14.8%)と単身層は増加したが、既婚男性では26.4%(同 31.1%)と 4.7 ポイント減少した。一方で、「週に1日未満/食べない」は、全体で 23.5%(同 20.4%)と 3.1 ポイント増加し、単身女性以外で増加した。単身男性は 47.0%(同 45.7%)と約半数が週に 1 度も果物を食べていないという結果になった。

また、年齢層別に見ると、『毎日』は 70 代以上を除き前回より減少した。一方、「週に1日未満/食べない」は、50 代以外で増加した。摂食頻度は野菜と同様に年齢層が上がるほど、高まる傾向があり、特に 20 代以下では著しくポイントが低い。若年層・子育て層における野菜・果物の摂食不足が目立つ。

3.単身層での野菜摂取量増加は、「食習慣」変更がポイント

野菜を「もう少し(もっといっぱい)食べたい・食べる必要あり」と回答した人に、どういうきっかけがあれば食べる量・頻度が増えるかについてたずねた。
全体での 1~3 位は前回と変わらず、「価格が安くなれば」という回答が 50.7%(前回 47.9%)で最も多く、特に主婦では 61.7%(同 55.2%)とポイントが非常に高かった。これはキャベツ、レタス等の葉物野菜を中心とした高価格が影響しているものと思われる。2 位の「手間をかけずにいっぱい食べられるレシピが分かれば」は 32.8%(同 36.7%)と減少し、全属性で前回を下回った。一方で、3 位の「自分の食習慣が変われば」は 29.3%(同 28.9%)と全体では微増だが、単身層では単身女性が 39.2%(同 32.1%)、単身男性が 37.5%(同 33.3%)と増加し、ともに属性別の 2 位となった。なお、単身層で今回と前回で増減の大きい項目が目立った。とりわけ単身女性では加工野菜や総菜の「価格が安くなれば」で、ポイントの上昇が大きかった。野菜価格の高さの影響であろうか。
年齢層別に見ると、3 位の「自分の食習慣が変われば」では 20 代以下が 41.8%と際だって高かった。

4.20 代以下で「野菜不足」が急増

全体で見ると、「野菜不足」は 13.2%(前回 10.4%)、「野菜は不足気味」は 35.2%(同 36.5%)で、合わせて約半数が野菜不足(不足気味)だと思うと回答し、前回を若干上回った。属性別に見ると、「野菜不足」は単身女性で 31.5%(同 14.4%)、単身男性で 31.0%(同 21.5%)と大きく増え、「野菜は不足気味」は減少している。一方で、「野菜不足ではない」は 15.2%(同 14.8%)と微増で、既婚男性を除く全属性で増加した。

年齢層別に見る、。若年層ほど「野菜不足」のポイントが高くなっている。20 代以下で 32.7%(同 21.0%)、30 代で 20.1%(同 16.3%)、40 代で 20.0%(同 13.2%)と 40 代以下
で 2 割を超え、20 代以下では 3 割を超えた。前述のとおり、今回調査では野菜を『毎日』食べる人は全年齢層で減少しており、「野菜不足」の認識が深まっていると思われる。この結果から単身層あるいは若年層における野菜不足が改めて感じられる。

5.単身女性は、家庭の食事で野菜の量・種類が増加 :「野菜不足ではない」理由
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8.単身層の買い物回数は、年次ごとに大きく変動

野菜・果物の買い物の回数をたずねた。
野菜を買う回数を見ると、「週に2~3回」が 36.6%(前回 37.9%)と最も多い。今回調査では単身女性が 48.8%(同 40.6%)と増加し、主婦 47.1%(同 49.8%)とともに「週に 2~3 回」が約半数となった。主婦の回数(頻度)は年次別にほとんど変化が見られないが、単身層では変動幅が大きい。不規則になりがちな食生活の一端が表れているようである。
果物を買う回数は、「週に 1 回」が 29.4%(前回 29.0%)、「週に2~3回」が 27.3%(同 29.0%)と拮抗している。野菜と同様に主婦の買い物回数の変動は小さく安定している。一方、単身男性では「分からない/この買い物はしない」が 20.2%(同 14.8%)と大きく増加した。果物を食べる頻度として「週 1 回未満/食べない」が半数近くになっていることも一因と考えられる。

9.野菜の買い物1回当たりの購入金額は、全体的に減少傾向

野菜の買い物 1 回あたりの購入金額をたずねた。
全体では、301~500 円以下 34.8%(前回 32.9%)、801~1000 円 21.2%(同 21.4%)、300 円以下 21.0%(同 20.6%)の順となり、概ね半数が 1 回あたり 500 円以下の買い物となっている。属性別に見ると、500 円以下の人は主婦、既婚男性では約半数であるが、単身女性で 72.9%(同 65.8%)、単身男性で 77.9%(同 79.3%)と単身層では 7 割を超えている。特に単身男性では 300 円以下だけで 46.9%(同 48.9%)と約半数を占めている。週に 2 回以上買い物をする人は38.7%(同 45.7%)と前回に比べ減少し、約 4 割となっており食生活における野菜不足が懸念される。
野菜購入の平均金額は、全体では 763 円(同 793 円)とやや減少した。属性別でも単身男性を除いて減少となった。単身男性は 523 円(同 463 円)と増加したが、前述した買い物回数の減少を考慮すると伸びが小さいように思われる。

10.野菜の購入先として「コンビニ」、「ネットスーパー」が伸長

日頃、野菜を購入している人に、主に購入している場所をたずねた。
1~3位の合計で見ると、購入先のトップは「スーパー」で 96.7%(前回 95.8%)と他の購入先を大きく引き離している。2 位は「青果専門店」で 21.2%(同 24.6%)、3 位は「生協」の 20.6%(同 20.8%)が続いている。前回 3 位の「農産物直売所」は 19.1%(同 22.5%)で「生協」と順位が入れ替わり 4 位となった。2~4 位の購入先のポイントはいずれも前回と比べて減少している。
「コンビニ・100 円スーパー」は 8.1%(同 6.2%)と増加傾向にある。昨今、コンビニでも生鮮食品の品揃えを充実させつつあり、立地条件の良いところに店舗数を増やしていることから購買機会の増加に繋がっているものと思われる。8.0%(同 6.7%)と増加している「ネットスーパー」も、利便性・簡便性を考慮すると今後一層の伸長が見込まれよう。「食材宅配業者」は 2.0%(同 1.3%)と現在割合は小さいものの高齢者世帯を中心にお弁当等の宅配が大きく伸びつつあり、野菜加工品等を含めて販売拡大が考えられる。

11.野菜購入先の選択は「品揃え」が優先、単身女性は「近所・通り道」を重視

野菜を購入している人に、1番目にあげた購入先から買う理由をたずねた。
全体でトップは「野菜以外の食材の買い物も 1 か所で済むから」が 82.6%と群を抜いている。全属性で 8 割を超え、年齢層別に見ても 70 代以上を除いて 8 割を超えた。2 位は「日常食べる野菜がひととおり揃うから」で 31.0%を占めた。単身男性で 20.0%、年齢層別では 20 代以下 17.8%、30代 21.8%と単身男性および若年層は、野菜の種類について関心が低いのであろう。3 位は「食品以外の日用品や衣料品の買い物も 1 か所で済むから」の 27.8%であるが、各属性、年代層で大きな隔たりは見られない。以上のように品揃えの観点が購入先選定において重要視されている。4 位は立地条件として「近所・通り道にあるから」の 23.1%で、単身女性が 37.4%と際だって高く、年齢層別では 20 代以下 30.2%、30 代 29.1%と若年層で高かった。単身女性を中心とした若い世代は、帰宅途中に寄って帰れるという利便性を重視する傾向が伺える。

12.野菜購入時の「国産」重視が大きく上昇
13.好きな野菜は「玉ねぎ」>「キャベツ」>「トマト」の順
14.嫌いな野菜は「セロリ」、トップ変わらず



【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査主体:一般社団法人 JC総研
調査年月日:2013 年7月 19日(水)~7月25日(木)
調査対象:全国の主婦・既婚男性・単身女性・単身男性

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