『働く目的・モチベーション』に関するアンケート調査 

2013年10月29日
オウチーノ総研は、20 代~50 代の就労者 616 人に「『働く目的・モチベーション』に関するアンケート調査」を行った。その結果、「働く目的」の第 1 位は、全年代において「生活・家族のため」となった。「仕事が好き、面白いから」「社会、人の役に立ちたいから」と回答する人は、年代が上がるごとに増加し、一方、「自由に使えるお金が欲しいから」「貯蓄するため」と回答する人は、20 代・30 代が 40・50 代を大きく上回った。また今回は、職業別、男女別の結果も掲載した。

【調査結果】

1. 働く目的、第 1 位は「生活・家族のため」。若年層ほど「お金」を重視。

最初に、「あなたの働く目的は何ですか?」という質問をしたところ、20~50 代のすべての年代において、「生活・家族のため」と答えた人が最も多かった。その割合は、20 代が 63.6%、30 代が 74.0%、40 代が 83.8%、50 代が 82.5%だった。

また、全年代共通で、第 2 位が「自由に使えるお金が欲しいから」、第 3 位が「貯蓄するため」となった。しかし、年代によってその割合は異なる。「自由に使えるお金が欲しいから」と回答したのは、20 代が 59.1%、30 代が 51.3%と半数以上を占めたのに対し、40 代は 38.3%、50 代は 42.2%だった。「貯蓄するため」も、20代が48.1%、30代が42.9%であったのに対し、40 代は 21.4%、50 代は 22.7%と、20代・30 代と 40 代・50 代の間の価値観には差がある。比較的、若年層ほど「お金」を目的としている人が多いようだ。第 4 位は、20 代・30 代が「自己成長のため」、40 代・50 代が「仕事が好き・面白い」と回答が分かれた。

2. 「家族、社会のため」という傾向が強い「公務員」、「仕事が好きだから」という「経営者・自営業」、「貯蓄、自己成長のため」という「会社員」など、職業によって目的に特徴が。

今回の結果を職業別に見てみると、「公務員」「経営者・自営業」「会社員」「自由業」それぞれの特色が出てきた。

まず、「公務員」は働く目的を「生活・家族のため」「社会、人の役に立ちたいから」「社会人としての責任だから」とする人の割合が各職業のなかで最も高く、一方、最も低いのは「自由に使えるお金が欲しいから」だった。「貯蓄するため」も「経営者・自営業」に次いで低い。

「経営者・自営業」は、「仕事が好き、面白いから」「やりがいを得たいから」とする割合が最も高く、「社会、人の役に立ちたいから」も「公務員」に次いで高かった。「貯蓄するため」「働いていないと社会性を問題視されるから」が最も低い。

「会社員」は、「貯蓄するため」「自分自身を成長させたいから」とする割合が最も高く、「自己実現のため」「自分のスキル・能力を活かしたいから」「社会、人の役に立ちたいから」「仕事が好き、面白いから」が最も低かった。

そして開業医や士業、芸術家などの「自由業」は、働く目的を「自由に使えるお金が欲しいから」「自己実現のため」「自分のスキル・能力を活かしたいから」とする割合が最も高く、「生活・家族のため」「社会人としての責任だから」などが最も低かった。

「公務員」は仕事を通して「自分がこうなりたい」というよりは、「社会や家族を良くする」ことを目的としている割合が他の職業と比べて高い傾向にある。それに近いのが「経営者・自営業」で、「好き」「やりがい」などが目的につながっている。大きな責任が伴う「経営」という仕事ができるのも、「仕事が好き」という思いがあるからこそなのだろう。一方「会社員」は比較的、自己成長や給料など、仕事を通して「何かを得る」ことが目的となっている。「自由業」は仕事を通して自分の目標や夢を達成したいという「自己実現」欲求や、「自分のスキル・能力を活かしたい」という欲求が強いようだ。

3. 「男性」は「生活・家族のため」、「女性」は「自由に使えるお金・貯蓄のため」という傾向。

次に、男女別に調査結果を見てみる。さほど差の生じない項目が多かったのが、そのなかで違いが見てとれたのが、「生活・家族のため」「自由に使えるお金が欲しいから」「貯蓄するため」「社会とのつながりや友人を得るため」だった。
「生活・家族のため」は男性が 83.4%に対し、女性が 68.5%と男性の方が割合が高かった。一方、「自由に使えるお金が欲しいから」「貯蓄するため」「社会とのつながりや友人を得るため」はすべて女性の方が高い。「家族を養うため」を目的する傾向にある男性と比べると、女性の方は、仕事を通して自分が自由に使うお金や、外とのつながりを得ることを目的としている傾向が強いようだ。

4. 働くモチベーション、76.8%が「給料がもらえること」と回答。一方、「出世・昇給」はわずか 8.8%。

次に、働くモチベーションは何か聞いてみた。第 1 位は全年代、「給料がもらえること」だった。割合は、20 代が87.7%、30 代が 76.0%、40 代が 69.5%、50 代が 74.0%だった。
一方、「出世・昇給すること」は 20 代で 5 位に入ったのみだった。割合を見ると、20代・30代では10%を上回っているが、40 代・50 代はわずか 5.0%前後。なかなか給料が上がらないこの時代の世相を表しているのではないだろうか。また出世に関しては、近しい内容の、「周りに認められること」「仕事・役割を任されること」「上司・部下・同僚から期待されること」といった項目も、少数の人しか選択していない。現代のビジネスマンたちのモチベーションにつながるのは、「周りからどう評価されるか」ではなく、「自分自身の能力・スキルをいかに向上・発揮させられるか」や「やりがいのある仕事に取り組めるかどうか」であるようだ。
20 代・30 代は、「自分の成長を実感すること」や「プライベート・休日が充実すること」がランクイン。「仕事が面白いこと」は 20 代ではわずか 4.5%だったが、30 代以上では 15%を超えている。30 代頃から仕事の面白さが分かるようになる人が多いのだろう。一方、40代・50 代は「自分のスキル・能力が活かされていること」がランクイン。長い社会人経験のなかで培ってきた能力を発揮できる場があることこそが、モチベーションの源となるようだ。

5. 「経営者・自営業」は「お客様への貢献」、「自由業」は「自分の能力の発揮」がモチベーションに。「公務員」は他職業と比べて人間関係を重視する傾向。

「働くモチベーション」を職業別に見てみると、「公務員」は、「社会に貢献すること」「仕事が面白いこと」「職場の人間関係が良好であること」「家族の幸せ」を選んだ人の割合が最も高く、なかでも「職場の人間関係が良好であること」「家族の幸せ」の割合は、他の職業と比べて突出している。最も低かったのは「自己実現につながっていること」だった。
「経営者・自営業」は、「お客様に貢献すること」を選んだ人の割合が、他の職業と比べてダントツに高い。また、「仕事で成果が出ること」「好きな仕事ができること」「仕事が面白いこと」なども高かった。一方、「給料がもらえること」「プライベート・休日が充実すること」が最も低かった。
「会社員」は、「給料がもらえること」が、全職業のなかで唯一 80%を超えた。「出世・昇給すること」「プライベート・休日が充実すること」も最も高く、「社会に貢献すること」「仕事で成果が出ること」「自分のスキル・能力が活かされていること」「周りから感謝されること」「仕事が面白いこと」「好きな仕事ができること」などが最も低かった。
「自由業」は、「自分のスキル・能力が活かされていること」が、他の職業と比べて突出している。「自分の成長を実感すること」「自己実現につながっていること」「好きな仕事ができること」も高く、「家族の幸せ」が最も低かった。

「公務員」は、自身の働きが社会に貢献していることや、職場・家庭などの人間関係が良好であること、「経営者・自営業」は好きな仕事で成果を出し、お客様に貢献することが、モチベーションにつながる傾向が比較的強いようだ。一方で、「会社員」は「給料」、「自由業」は「自己成長」や「自己実現」、「自分のスキル・能力の発揮」など、仕事を通して報酬であったり、自分自身の目的達成など、何かを得られることがモチベーションの源であるようだ。

6. 「男性」は「成果を出して周りに貢献すること」が、「女性」は「自己成長」や「自分自身の能力が発揮されること」がモチベーションとなる傾向。

最後に男女別で見てみると、男女ともに「給料がもらえること」を選んだ人が最も多く、70%を超えた。

一方、「出世・昇給すること」「会社に貢献すること」「社会に貢献すること」「仕事で成果が出ること」「家族の幸せ」は男性の方が割合が高く、「自分の成長を実感すること」「自分のスキル・能力が活かされていること」「周りに認められること」「プライベート・休日が充実すること」などは女性の方が高かった。
男性は、仕事で成果を出して周りに貢献することがモチベーションにつながっており、女性は仕事を通して自分自身がレベルアップすることや、周りから求められる存在になること、そして生活が充実することがモチベーションとなるようだ。


【調査概要】
有効回答:20 代~50 代の就労者(会社員、公務員、経営者・役員、自営業、自由業)616 名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2013 年 10 月 11 日(金)~10 月 15 日(火)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[オウチーノ総研]
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