ビジネスパーソン 1000 人調査(「給与」と「コミュニケーション」について) 

2013年11月28日
日本能率協会グループは、全国のビジネスパーソン1000人に対して意識調査を実施。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズ。今回は職場の話題として「給与」と「コミュニケーション」を取り上げた。

【調査トピックス】

<給与について>

1.会社の業績改善しても「給与変わらないと思う」6割、「下がると思う」1割と、7割が賃上げに期待感なし。理由は「会社が余裕資金として蓄えると思うから」

2.もし給与上がっても過半数が「貯蓄したい」、消費するなら「旅行・レジャー」


<コミュニケーションについて>

3.現在の職場で感じているストレスは「仕事量の多さ」「年収」「休暇の取りづらさ」、メンタルヘルス不調に陥る原因は「職場の人間関係」

4.コミュニケーション不足を感じる相手は全世代で「上司」がトップ、親睦深めるには「雑談」「飲み会」「挨拶」と日ごろの付き合いを重視

5.職場でハズさない飲み会は「和食」を「とりあえずビール」で「趣味の話」


【調査結果詳細】

1.会社の業績改善しても「給与変わらないと思う」6 割、「下がると思う」1 割と、7 割が賃上げに期待感なし。理由は「会社が余裕資金として蓄えると思うから」

政府の経済対策や税制の変更によって会社の業績が良くなった場合、自分の給与はどうなると思うかを聞いた質問では、「変わらないと思う」(61.5%)が最も多く、「下がると思う」(13.1%)と合わせると 7 割超が給与の増加は期待できないとする結果になりました。

「変わらないと思う」「下がると思う」と回答した方(74.6%)にその理由(複数回答)を聞いたところ、「余裕資金として蓄えると思うから」(29.2%)が最も多く、2 位「仕入や設備投資に回すと思うから」(23.7%)、3 位「会社の負債の返済に使うと思うから」(18.1%)と会社の体制を整えることを優先させるだろうと考えているようです。「上がると思う」(10.2%)と回答した人の月給とボーナスの増加予想は、「月給で 1 万円~2 万円未満」(24.6%)、「1 年間のボーナスで 1 万円~10 万円未満」(36.3%)を期待する人が最多となりました 。
回答の平均額は月給で 1 万 1,279 円、年間のボーナスで 13 万 6,960 円です。

2.もし給与上がっても過半数が「貯蓄したい」、消費するなら「旅行・レジャー」

もし給与が上がったらどのようにお金を使いたいかという質問(複数回答)では、1 位の「貯蓄したい」(52.5%)が顕著に高く消費には消極的です。以下、2 位「前から欲しかったモノやサービスの購入」(22.1%)、3 位「いつもと同じモノやサービスの購入(買い替え)」(18.0%)と堅実です。貯蓄については、男性(49.3%)よりも女性(61.2%)、年代別では 30 代(56.1%)の意識が高いという結果になりました。

もし給与が上がったら購入・利用したいものを聞いた質問(複数回答)では、1 位「旅行・レジャー」(33.9%)、2 位「趣味」(27.3%)、3 位「洋服・ファッション小物」(25.4%)が挙げられました。
この設問では性別で回答に差が見られ、男性が女性の回答を 5 ポイント以上上回った商品は「自動車・自動車関連用品」(8.5 ポイント差)、「AV 機器(テレビ・カメラ・ビデオなど)」(7.9 ポイント差)、「金融商品」(7.7 ポイント差)の 3 点。女性が男性の回答を 5 ポイント以上上回った商品は「洋服・ファッション小物」(19.8 ポイント差)、「エステ・美容」(12.6 ポイント差)、「飲食・グルメ」(9.4 ポイント差)、「時計・アクセサリー・ブランド品」(9.3 ポイント差)、「旅行・レジャー」(8.2 ポイント差)、「習い事」(7.0 ポイント差)、「家具・インテリア」(5.1 ポイント差)の 7 点でした。
全年代でトップだった「旅行・レジャー」を年代別にみると、20 代から 50 代では 3 割程度ですが、60 代は 51.9%と高い支持を集めました。

3.現在の職場で感じているストレスは「仕事量の多さ」「年収」「休暇の取りづらさ」、メンタルヘルス不調に陥る原因は「職場の人間関係」

現在、職場のどのようなことにストレスを感じているか(複数回答)を聞いた質問では、1 位「仕事量が多い」(28.1%)、2 位「納得できる年収がもらえていない」(25.3%)、3 位「休暇が取得しづらい」(21.0%)と続いており、業務量、年収・休暇の取りづらさといった待遇がストレスの要因となっていることがうかがえます。対して「特にストレスは感じていない」人は全体では 25.3%おり、女性(22.8%)よりも男性(26.2%)、年代別では 60 代(42.3%)に職場のストレスの少ない人が多くなっています。

また、直近 3 年間で仕事をしていて精神的な健康状態(メンタルヘルス)に不調を感じたことがある人は 40.4%いました。性別では男性(36.9%)より女性(50.0%)が多く、年代別では 30 代(45.5%)の割合が高くなっています。なお、不調を感じた人(404 人)のうち 44.3%は「不調に対して特に対応はしていない」と回答しており、対応策(複数回答)として最も多かった回答も「自分の頑張りで乗り越えた」(21.3%)でした。
不調経験の有無に関わらず、全回答者(1000 人)にメンタルヘルス不調に陥る原因(複数回答)を聞いたところ、「職場の人間関係」(52.9%)を挙げた人が最も多く、以下 2 位「本人の性格の問題」(37.8%)、3 位「仕事内容の問題」(32.4%)と続きます。

4.コミュニケーション不足を感じる相手は全世代で「上司」がトップ、親睦深めるには「雑談」「飲み会」「挨拶」と日ごろの付き合いを重視

職場でコミュニケーションが不足している相手(複数回答)を聞いたところ「特にいない」が 46.2%となりました。それ以外の回答をした半数以上の人にはコミュニケーションが不足している相手がおり、20 歳代から 60 歳代のすべての年代で「上司」(32.9%)がトップでした。次いで「役員」(18.5%)、「他部門の人」(15.2%)となっています。

また、職場の親睦を深めるのに有効な方法を聞いたところ「雑談」が 48.8%で最も多く、2 位「飲み会」(40.7%)、3 位「挨拶」(31.2%)という結果になり、全世代でトップ 3 は共通していました。「社員旅行」(13.7%)、「研修」(7.9%)、「休日のイベント」(5.9%)といった特別なイベントよりも、日ごろの付き合いを大切にしているようです。
性別で見ると、男性は「雑談」(46.3%)「飲み会」(42.5%)の割合が多いのに対し、女性は「雑談」(55.6%)が突出し、「挨拶」(37.7%)と「飲み会」(35.8%)が同程度となっていることから、女性は日々の会話をより重視していることがうかがえる結果となりました。
“若手が飲み会を嫌がる”という声も聞かれますが、今回の調査では 20 代を含むすべての年代で「飲み会」は 2 位となり、親睦を深めるには有効だととらえられています。


【調査概要】
・調査名称:ビジネスパーソン1000人調査
・調査期間:2013年10月25日(金)~30日(水) 6日間
・調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
・調査方法:インターネット調査
・回答者数:1,000人(内訳:男性732名、女性268名) ※回答は小数点第2位を四捨五入

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会]
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