食料自給率と食の安全に関する意識調査(子供を持つ主婦対象) 

2013年09月18日
トレンド総研は、子供を持つ主婦を対象に、「食料自給率と食の安全に関する意識調査」を実施。

【調査結果】

◆ 問題意識の高さが明らかに! 母親の9割が「食料自給率を上げるべき」。一方向上策への理解は今一つ。

まず、母親たちに食料自給率への関心度について聞きました。その結果、「日本の食料自給率に対して関心がある」という母親は73%、「日本の食料自給率は低いと思う」という人は93%にもなりました。続いて、「日本の食料自給率の今後」について聞いたところ、およそ9割(87%)が「上げるべき」と答えました。食料自給率に対する母親たちの問題意識は、非常に高いと言えます。
ところが、先日の農林水産省の発表によると、2012年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は39%でしたが、「日本の食料自給率はどの程度だと思いますか?」と選択肢式の質問を行ったところ、「約40%」と正解を選んだのは、わずか16%。日本の食料自給率について正しく認識している母親は6人に1人もいないということになります。

また、「食料自給率の向上のために効果的だと思う取り組み」を複数選択形式で選んでもらったところ、「効果的だと思う」という母親が最も多かったのは「地産地消を心がける」(93%)。以下、「国産の野菜を優先的に利用する」(92%)、「国産の穀物を優先的に利用する」(92%)、「旬の食材を食べる」(91%)、「国産の肉を優先的に利用する」(88%)などの順で、地産地消や国産の穀物の優先的な消費や旬の食材を食べるなど、正しい理解をしている項目が多い一方、例えば大豆はほぼ外国産のため必ずしも食料自給率向上には寄与しない「大豆を使った和風の調味料を利用する」(71%)が効果的だという人が多く、一方で効果的な「ご飯をお代わりする」(45%)が過半数を割るなど、食料自給率の向上策について十分な理解にはいたっていないようです。
「食料自給率が低いことにより起こりうる問題」について、自由回答形式で聞いても、最も多かったのは、「よく分からない」でした。

◆ 子供が生まれると食への意識は変わる ー「安全性」最重視の結果、国産品に注目があつまる。

母親たちの食料自給率への問題意識の高さは、やはり子供がいることに大いに関係があります。「子供が生まれてから、食品の選び方は変わりましたか?」とたずねたところ、88%もが「はい」と回答。さらに、子供が生まれてから重視するようになった食品を選ぶ時のポイントを聞くと、「安全性」(83%)に最も支持が集まる結果となりました。一家の食卓を預かる母の立場としては、家族の健康は最も気になることだと言えるでしょう。 “食の安全”は母親たちにとって食に関する最も重要なテーマであることが明らかになりました。
なお、「子供の安全のためには、どのような食品を選ぶべきだと思いますか?」と聞いたところ、「無添加食品」(55%)、「無農薬・低農薬の食品」(52%)といった回答を抑えて、「国産食品」(73%)がトップで、母親にとって安全な食品は何より国産品ということが分かります。

また、「国産食品」と「輸入食品」のイメージを聞いてみても、自由回答で5つあげてもらう聞き方で、「国産食品」のイメージとしてあがったのは「安全」、「安全性」(55%)、「安心」、「安心感」(32%)、「価格が高い」、「高価」、「高級」(17%)など。「輸入食品」については「安価」、「安い」(30%)、「安全性に不安」、「心配」、「信頼性に欠ける」(11%)でした。国産食品に対しては、「安全」、「安心」、だが「高価」といったイメージが、輸入食品については、安価なイメージが強く、安全イメージは低いようです。実際、国産食品と輸入食品とを比較した際、「安全性が高いと思うもの」については、9割近く(88%)が「国産食品」と回答しました。逆に、「値段が安いと思うもの」は、「輸入食品」と回答した人が8割(79%)を占めます。母親たちは、国産食品には「安全性」、輸入食品には「価格」と、異なるメリットを感じているようです。

◆ 高い“安全”志向と裏腹…、現実は「安全より価格」な人も4割、「安全な食品を選べている自信がある」は1%未満

食品を選ぶ際、「安全」と「価格」のいずれを重視しているかを聞くと、「安全重視」という人は59%、「価格重視」という人は41%。子供ができて安全を重視するようになったと言っても、実際は価格重視で選んでしまう人も4割いることが分かります。なお、「金銭的な制約を考慮しなければ、もっと食の安全性にこだわりたい」という人は98%にのぼり、理想では安全を重視したいのに、経済的な理由でそれができていないようです。
なお、このような理想と現実のかい離を反映してか、「安全な食品を選べている自信はありますか?」とたずねると、「ある」と答えた人はわずか1%のみ。「どちらかと言えばある」という人も16%にとどまり、合わせても2割に達しませんでした。また、安全性という観点から、自身の食品の選び方を100点満点で評価してもらったところ、「100点」とした人は500人中わずか2人で、平均点は「62.2点」。“食の安全”に対する意識の高さとは裏腹に、母親たちは自身の食品の選び方にあまり自信がないように見受けられます。

こうした背景には、放射性物質や異物混入や遺伝子組み換え品、残留農薬など、“食の安全”を脅かす存在もあるようです。近年、メディアなどでも話題になることの多い、これらの脅威に関する情報ですが、「実際に見たり、聞いたりしたことがある」という人は92%。また、こうした情報により、「“食の安全”に不安を感じた」という人は、79%にのぼります。具体的には「放射性物質」(45%)、「化学物質」(30%)、「輸入食品」(29%)などに特に不安を感じています。


【調査概要】
・調査名:食料自給率と食の安全に対する母親たちの意識・実態調査
・調査対象:23 歳~54 歳の女性 500 名 (既婚、かつ、子供がいる方・長子の年齢で均等割り付け)
 第一子が今年1 歳~3 歳:125 名
 第一子が今年4 歳~6 歳:125 名
 第一子が今年7 歳~9 歳(小学校低学年):125 名
 第一子が今年10 歳~12 歳(小学校高学年):125 名
・調査期間:2013 年8 月8日(木)~2013 年8 月12 日(月)
・調査方法:インターネット調査

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