時間差の夕食とお鍋に関する調査 

2012年10月15日
夕食時に家族が揃わずバラバラのタイミングで食べる「時間差の夕食」は、食生活はもとよりライフスタイルそのものが多様化する現代においては日常的な姿といっても過言ではありません。東日本大震災以降、“絆”や“家族回帰”がトレンド化したことで、家族揃って食卓を囲むシーンがクローズアップされましたが、ミツカンが首都圏・関西圏の 5,000 名を対象に行ったアンケートによると、平日ほぼ毎日「時間差の夕食」になる家庭は約 5 割に上りました。

そこで今回、「時間差の夕食」がある家庭の主婦を対象に、時間差の夕食の実態・意識および、ミツカンが毎年この時期に調査を行っている「お鍋」をテーマとした「時間差の夕食とお鍋に関する調査」を実施しました。

その結果、「時間差の夕食」がある家庭の主婦の約 6 割は、時間差の食事の際に工夫することとして、「電子レンジで温め直すのに適した料理」を心掛けている一方で、約 4 割が「家族に出来たてを食べさせてあげられない」ことを悩みとして挙げたほか、9 割近くの主婦が「家族が揃う夕食では“鍋料理”を作りたい」と思っているなど、「時間差の夕食」に対峙する主婦の理想と現実が垣間見えました。

【調査結果のポイント】

■平日に夕食を一緒に食べる家族のメンバーは、約 8 割が「母親と子ども」。家族が揃わない理由は「仕事で夫の帰宅が遅い」が 9 割超え。

■時間差の夕食の際の作り方は、「一度に家族全員分を作って温め直すだけにしておく」(85.7%)、「下ごしらえをしておき、食べる人のタイミングに合わせて調理する」(33.7%)で、「その都度作る」は(8.0%)。

■時間差の夕食の際の苦労や悩みは、「一度に後片付けが済ませられない」(72.3%)、「出来たてを食べさせてあげられない」(42.7%)、「大皿料理や鍋など皆で一緒に食べるような料理を作りづらい」(39.8%)。

■時間差の食事の際の工夫は、「電子レンジで温め直すのに適した料理を作る」(56.1%)、「冷めてもおいしい料理を作る」(27.2%)、「傷みやすい食材や調理法を避ける」(22.6%)。

■時間差の夕食で作りづらい料理は「鍋料理」(70.9%)、「麺料理・パスタ」(68.7%)、「鉄板焼き」(55.3%)。家族が揃う夕食で作りたい料理は「鍋料理」(87.9%)、「手巻き寿司」(61.2%)、「鉄板焼き」(55.8%)。家庭で鍋料理を最も多く食べるシーンは「休日の夕食」(92.2%)。

■昨シーズンの鍋料理の実施頻度は、「月 2 回」(30.1%)、「月 3 回」(21.8%)、「月 4 回以上」(21.6%)。

■今シーズン、4 人に 1 人は「お鍋が増えそう」。増えそうな理由は、「野菜をたくさん摂れるから」(86.7%)、「他におかずを作らなくて良いから」(75.2%)、「家族みんなで食卓を囲みたいから」(64.8%)

【調査結果】

平日の夕食は、「母親と子どもは一緒で、夫だけ別」が8割を占めるも、子供の成長に連れ、「全員ばらばら」が増える傾向

時間差の夕食は、どのような形で顕在しているのでしょうか。平日(月~金曜日)に家族の誰と夕食を食べることが多いかを聞いたところ、「母親と子どもは一緒で、夫だけ別」が約8割(78.9%)を占め、次位の「全員ばらばらに食べる」(9.7%)を大きく引き離しました。ただ、年代別では「夫だけ別」の家庭が30代83.5%、40代74.3%、「全員ばらばら」の家庭が30代4.4%、40代15.0%と、差がみられました。
平日の夕食に家族が揃わない理由については、「仕事で夫の帰宅が遅い」が全体、年代別とも9割を超え断然トップでしたが、「塾で子どもの帰宅が遅い」(30代1.0%、40代10.2%)、「クラブ活動で子どもの帰宅が遅い」(30代1.0%、40代12.6%)、「塾やクラブ活動以外で子どもの帰宅が遅い」(30代0.5%、40代10.2%)と、子どもの帰宅時間に関する項目では年代差がありました。
時間差の夕食になる家庭では、仕事で父親の帰宅時間が遅いために、母親と子どもが先に食べるケースが大半を占めつつも、子どもの成長に連れて塾やクラブ活動などで帰宅時間が遅くなり、全員がばらばらに食べる割合が増える傾向にあるようです。

時間差の夕食の作り方は、“事前にある程度準備”

それでは、時間差の夕食ではどのように料理を作っているのでしょうか。作り方について聞いたところ、1 位が「一度に家族全員分を作って温め直すだけにしておく」(85.7%)、2 位「下ごしらえをしておき、食べる人のタイミングに合わせて調理する」(33.7%)と、事前にある程度の準備をしている人が多く、「食べる人のタイミングに合わせて、その都度作っている」は 8.0%(4 位)でした。

時間差の夕食の苦労・悩みは、自分への負担に関する内容から相手を思いやる内容までさまざま

時間差の夕食の際の苦労や悩みを聞いたところ、1 位は「一度に後片付けが済ませられない」(72.3%)と、自分への負担に関する悩みでしたが、2 位は「出来たてを食べさせてあげられない」(42.7%)で、家族を思いやるお母さん像が垣間見えました。また、3位は「大皿料理や鍋など皆で一緒に食べるような料理を作りづらい」(39.8%)で、これは皆で一緒に夕食を食べたいという気持ちの裏返しなのかもしれません。

時間差の食事の際の工夫トップ3
1位「電子レンジで温め直すのに適した料理」
2位「冷めてもおいしい料理」
3位「傷みやすい食材・調理法を避ける」

時間差の食事でどのような工夫をしているか聞いたところ、トップ3は1位「電子レンジで温め直すのに適した料理を作る」(56.1%)、2位「冷めてもおいしい料理を作る」(27.2%)、3位「傷みやすい食材や調理法を避ける」(22.6%)と、料理の手法やテクニックに関する回答が上位を占めました。この他、「食卓に同席しコミュニケーションを取るようにする」(16.7%)、「食べる時間帯によって体の負担にならないような料理を心掛ける」(15.5%)といった心や体を気遣う工夫にも一定の回答がありました。

“時間差の夕食で作りづらい料理”と“家族が揃う時に作りたい料理”、ともに「鍋」
家庭で鍋料理を最も多く食べるシーンは「休日の夕食」

「時間差の夕食で作りづらい料理」「作りやすい料理」「家族が揃う夕食で作りたい料理」をそれぞれ聞いたところ、作りづらい料理は 7 割を超える人が「鍋料理」と答え、その主な理由としては、「ひとりで食べても美味しくない」「みんなで食べる方が美味しい」「1 人分の鍋は難しい」などが挙げられました。一方、作りやすい料理は 1 位「カレー・シチュー」(90.3%)、2 位「煮物」(79.9%)、3 位「炒め物」(57.0%)と、一度に比較的多くの量を作れたり、作り置きしやすかったりする料理が上位を占めました。
家族が揃う夕食で作りたい料理の 1位は「鍋料理」(87.9%)、以下「手巻き寿司」(61.2%)、「鉄板焼き」(55.8%)と、食卓の場で、みんなで作りながら楽しめるような料理が順当に上位を占める結果となりました。

なお、「鍋料理」が「時間差の夕食で作りづらい料理」で7割超、「家族が揃う夕食で作りたい料理」で約 9 割もの回答を得た結果を裏付けるかのように、家庭でお鍋を食べるシーンに関する質問では、家族が揃うことが多いと思われる「休日の夕食」に圧倒的な回答(92.2%)がありました。時間差の夕食に対峙する主婦にとって鍋料理は“みんなで囲んで食べるもの”という考えが根強くあるようです。

時間差の夕食がある家庭における「鍋料理」実施頻度のボリュームゾーンは「月に2回」

「時間差の夕食で作りづらい料理」のトップだった「鍋料理」ですが、時間差の夕食がある家庭におけるお鍋の実態や、お母さんの意識はどのようになっているのでしょうか。
昨シーズン(2011 年 10 月~2012 年 3 月)に鍋料理を実施した頻度を聞いたところ、ボリュームゾーンは「月に 2 回」(30.1%)でした。ミツカンが“お鍋ヘビーユーザー”と定義している「月に 4 回以上」は 21.6%で、時間差の夕食がある家庭に限定していない過去 2 年の調査(2010 年および 2011 年の調査)で同様の質問をした際に、2010 年が44.5%、2011 年が 48.5%(「月 4 回程度」の数値)だったことを鑑みると、時間差の夕食がある家庭では鍋料理の実施率が低くなるという傾向が見て取れます。

今シーズン、4人に1人は「お鍋が増えそう」
増えそうな理由のトップは「野菜をたくさん摂れるから」
節約志向は、“30代>40代” “首都圏>関西圏”

今シーズンの鍋料理の実施意向について聞いたところ、4 人に 1 人が『増えそう』(「増えそう」「やや増えそう」の合計)と回答しました。
鍋料理が増えそうな理由は、トップが「野菜をたくさん摂れるから」(86.7%)で、9 割近くの主婦は野菜の摂取を心掛けていることがうかがえました。2 位以下は、「鍋だと他におかずを作らなくて良いから」(75.2%)、「家族みんなで食卓を一緒に囲みたいから」(64.8%)、「調理や後片付けを簡単にしたいから」(50.5%)、「温まるから」(49.5%)でした。
年代別にみると、30 代が「冷蔵庫の余った食材を有効活用できるから」「食費を節約できるから」といった項目でそれぞれ 50.8%・39.7%だったのに対し、40 代は 28.6%・31.0%と、わずかながら節約志向に差が出ました。また、同項目の地域別では、首都圏が 49.0%・40.8%、関西圏が 35.7%・32.1%と、節約志向がより高かったのは首都圏でした。


【調査概要】
・調査テーマ:時間差の夕食とお鍋に関する調査
・調査対象:30 代~40 代の主婦/平日ほぼ毎日料理をする、夫・子どもと同居、平日に時間差の夕食がほぼ毎日
・調査エリア:首都圏、関西圏(在住)
・有効回答数: 412 票
・調査方法: WEB 調査
・調査時期: 2012 年 9 月

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ミツカン]
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