ブーズ・アンド・カンパニー 第13回CEO承継調査 

2013年04月17日
経営コンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニーは、世界の上場企業における時価総額の上位2,500社を対象に、CEOの承継についての第13回となる年次調査をまとめた。

調査対象のうち2012年にCEOが交代したのは全体の15%で、2000年の調査開始以来、2005年に次いで2番目に高い水準となった。通常交代(解任やM&Aに伴う交代以外の計画的な交代)の割合は72%と過去13年間で最も高い結果となった。

過去13年間の調査から次のような傾向が明らかとなった。
 
‐ブラジル・ロシア・インドのCEO交代率が急上昇、日本は唯一低下 国・地域別に見ると、CEO交代率は日本を除くすべての地域で過去5年(2007~2011年)の平均と比べて上昇している。上昇率が最も大きかったのはブラジル・ロシア・インドで、過去5年平均の15.4%から23.9%と、55%上昇した。上昇率が最も小さかったのは西欧で、過去5年平均の14.2%から14.7%へと3.5%の上昇にとどまった。

‐解任やM&Aに拠らない通常交代が増加  CEO交代の種別を見ると、通常交代が72%で2011年の69%から上昇している。一方、解任による交代は19%と調査開始以来2番目に低い割合となった。
 
‐「グローバルなCEO」は世界でも少数派 新任CEOの71%を内部昇格者が占めている。CEOの出身国・地域で見ると、本社所在国出身者が全体の81%、本社所在国とは異なるが同一地域の出身者が9%を占めている。また新任CEOの25%は他企業での業務経験を持っていないという結果が出た。
 
‐MBA保持者は少数 新任CEOのうちMBAを持つ者は29%、博士号を持つ者は9%にとどまっている。
 
‐日本企業の特徴 国・地域別に見ると、日本にはいくつかの顕著な傾向が見られた。日本は新任CEOの97%が内部昇格者であった(世界平均は71%)。また他企業での業務経験を有しない新任CEOの割合は、世界平均の25%に対して日本は75%と極めて高い。日本国外での勤務経験のある者は17%にすぎず、世界平均の45%に比べて非常に低い結果となった。日本企業が2009年~2012年の間に日本人以外のCEOを迎えた割合はわずか1%で(世界平均は17%)、日本以外の国・地域において日本出身のCEOはいなかった(すべての地域のなかで輩出ゼロは日本のみ)。


調査方法
2012年1月1日時点の時価総額ベースで、世界の上場企業上位2,500社(ブルームバーグに基づく)を抽出。主に各企業からの情報(交代の理由を除く)を基に、2012年にCEOの交代があった企業を特定し、退任するCEOおよび新CEO、ならびに暫定CEOについて、その肩書、任期、会長職、国籍、職務経験等に関する詳細情報を入手した。個々のCEO交代の理由については弊社が個別に検証を行った。2012年に買収あるいは合併した企業と総株主リターンに関するデータはブルームバーグから入手した。総株主リターンは、地域別に市場調整と年率換算を行い、配当があった場合には配当の再投資分を含む。先進国と新興国の区別は国連開発計画(UNDP)2012年ランキングによる。

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[ブーズ・アンド・カンパニー]
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