スケジュール管理ツールや“手書き”に関する実態調査 

2013年10月10日
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、20代~50代の男女1653名を対象に、スケジュール管理ツールや“手書き”に関する実態調査を実施。
 
【主な調査結果のポイント】

1.  スケジュール管理は手帳がトップ!2位のスマートフォンを大きく引き離す
 スケジュール管理のメインツールは「手帳(40.4%)」がトップで、2位の「スマートフォン(20.7%)」と2倍近くの差をつけた。年代別では、20代が手帳をメインツールとして使う人の割合が最も高かった(45.0%)。手帳のサイズは、持ち運びスタイルの違いによる世代差がみられ、20~30代では比較的大きめのサイズが人気である一方、40~50代では小型のポケットサイズに人気が集まった。手帳のレイアウトは、「月間カレンダータイプ(52.9%)」がトップで、とくに女性では72.3%と圧倒的な人気を集めている。
 
2. 2014年は“併用派”が急増。全体の5割を超え多数派に
 今年、スケジュール管理において手帳やカレンダーなどのアナログツールのみを使用している「アナログ派」は39.7%、スマートフォンやパソコンなどのデジタルツールのみ使用する「デジタル派」は24.7%、アナログツールとデジタルツールを併用している「併用派」は 34.8%であった。さらに、来年の予定を尋ねたところ「併用派」が20ポイント以上も増加し、過半数(56.6%)を占めることが分かった。
 
3.  「アナログ」と「デジタル」の用途に顕著な違い。使い分けの実態とは?
 「併用派」を対象に各ツールの用途を尋ねたところ、アナログツールは「仕事・業務の記録」や「自己実現に向けた目標」など、自分の考えや思いを整理して記すような用途に多く使用されている。一方、デジタルツールは「友人の連絡先」や「マネー管理」など、情報をリスト化・集計して一律に管理する用途に多く使用されており、両ツールの特徴を良く理解したうえで使い分けされている実態が伺える。
 
4.  手書きで自分を高める?手書きが好きな人は仕事やプライベートの満足度が高い傾向
 手書きの好き嫌いを調査したところ、7割近くが「好き(68.1%)」と回答。さらに手書きが好きな人と嫌いな人を比較したところ、手書き好きの方が仕事やプライベートにおける満足度や自己肯定感、向上心などが総じて高いことが明らかになった。この傾向について明治大学文学部 教授の齋藤孝氏は、手書きが好きな人は「上手下手は関係なく自分の生み出した文字を愛せる、自分に対して肯定的な人たち」であると解説している。

【調査結果詳細】

現在使用しているスケジュール管理ツール
1.スケジュール管理は手帳がトップ!2位のスマートフォンを大きく引き離す
女性は「手帳」「カレンダー」が7割を占める。男性にはデジタルツールも人気。

スケジュール管理のメインツールについては、1位の「手帳(40.4%)」が2位の「スマートフォン(20.7%)」と2倍近くの差をつけてトップとなった。性別で見ると、女性はさらに「手帳(46.9%)」の割合が高く、また2位には「カレンダー(23.7%)」がランクインしている。両者で全体の約7割を占め、アナログツールへの強い支持が伺える。一方、男性はトップが「手帳(33.9%)」であるのは同様だが、2位「スマートフォン(24.1%)」3位「パソコン(19.9%)」とデジタルツールが続いており、男女による傾向の違いが顕著に見られる結果となった。

若年層は「手帳」「スマホ」など携帯性重視、中高年層は「カレンダー」「パソコン」など使い勝手を重視

年代別に見ると、「手帳」は20代において最も使用者の割合が高く(45.0%)、最も低い50代(35.8%)と10%近く差をつけた。同じアナログツールでも「カレンダー」においては逆の傾向がみられ、50代(21.7%)が20代(9.9%)と2倍以上の差をつけている。また、デジタルツールについて世代別の傾向を見てみると、「スマートフォン」は20~30代で使用者の割合が高く、「パソコン」は40-50代の割合が高いことが分かる。これらの結果から、若年層は「手帳」や「スマートフォン」など持ち運びに便利なツールを好み、中高年層は「カレンダー」「パソコン」など、見やすく使い勝手の良いツールを好む傾向が伺える。

2.手帳のサイズとレイアウトの傾向は?
一番人気はA6サイズ。手帳の携帯スタイルの世代差が人気サイズの傾向に影響

手帳の人気サイズは、全体では「A6サイズ(30.4%)」がトップとなった。世代別に見ると、40-50代では、縦長・小型などコンパクトサイズが上位を占め、一方、20-30代では比較的大きめのA6・B6 サイズが上位を占めた。40-50代は、昔からの習慣で手帳をスーツ等のポケットに入れて持ち運ぶユーザーが多いのに対し、20-30代は鞄に入れて持ち運ぶユーザーが多い。世代による手帳の携帯スタイルの違いが、人気サイズの傾向にも影響を及ぼしていると考えられる。

手帳のレイアウト、「月間カレンダータイプ」が過半数。男性には「レフトタイプ」も人気

現在メインで使用している手帳のレイアウトは「月間カレンダータイプ(52.9%)」がトップで、とくに女性では72.3%と非常に高い結果となっている。一方、男性は「月間カレンダータイプ(27.7%)」と「レフトタイプ(27.5%)」で人気を二分している。さまざまなレイアウトの手帳が登場しているが、実際には、オーソドックスなレイアウトが変わらずに支持を集めていることが分かる。

来年のスケジュール管理の予定
3.来年は“併用派”が急増。全体の5割を超え多数派に

今年は「アナログ派」が約4割でトップ。続く「併用派」も3割以上存在

スケジュール管理ツールとしてメインで使用しているものだけでなく、現在使用しているツールをすべて聞いたところ、手帳やカレンダーなどのアナログツールのみを使用している人(以下、アナログ派)は39.7%。一方、スマートフォンやパソコンなどのデジタルツールのみを使用している人(以下、デジタル派)は24.7%という結果となった。また、アナログツールとデジタルツールを併用する人(以下、併用派)は34.8%で、アナログ派に次ぐ割合を占めることがわかった。

来年は「併用派」が過半数を占めトップに。変化をみせるユーザーの使用スタイル

来年(2014年)、スケジュール管理をどのように行う予定か尋ねたところ、「併用派」が21.8%増加し、全体の過半数(56.6%)を占めることがわかった。スマートフォンなどデジタルツールの普及が進んでいることから、スケジュール管理においても「デジタル派」の増加がみられても不思議ではない。「併用派」が大幅に増加する背景には、アナログ・デジタルの二者択一に限界を感じ、むしろそれぞれの使い勝手や特徴を考慮して、自分なりのスタイルで両ツールを使い分けたい、というユーザーの価値観の変化が感じられる。【グラフ4】
 
アナログツールとデジタルツールの用途
4.アナログとデジタルの用途に顕著な違い。「併用派」の使い分けの実態とは?

アナログツールとデジタルツールをどのように使い分けているのか?

今後はアナログとデジタルを“いかに使い分けるか?”がポイントになることがわかったが、では、今年「併用派」のユーザーは、実際にはどのようにツールを使い分けているのか。用途ごとに使用しているツールを調べたところ、アナログツールは「仕事・業務の記録」や「自己実現に向けた目標」「日記」など、自分の考えや思いを整理して記すような用途に多く使用されている。一方、デジタルツールは「友人の連絡先」や「ToDoリスト」「マネー管理」など、リスト化・集計など情報を一律に管理する用途に多く使用されており、両ツールの特徴を良く理解したうえで使い分けされている実態が伺える。

手書きに関する意識と傾向
5.手書きで自分を高める?手書きが好きな人は仕事やプライベートの満足度が高い傾向

「手書きが好き派」は約7割!デジタルに親しんだ若年層の方が手書きが好き!?

「手書き」の好き嫌いを調査したところ、「好き(68.1%)」と回答した人(以下、手書き好き派)が、「嫌い(31.9%)」と回答した人(以下、手書き嫌い派)を大きく差をつけて上回った。性別では女性の方が「手書き好き派」の割合が高く(77.5%)、世代別では20代(74.5%)、30代(73.9%)といったデジタルツールにより慣れ親しんでいる若年層の方が、40代(65.8%)、50代(57.9%)よりも「手書き好き派」の割合が高いという意外な結果となった。


【調査概要】
調査時期:2013年8月
調査対象:全国の20~50代の男女(有識者、パート・アルバイト、主婦)
調査方法:インターネット調査
回答数:1,653名

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会マネジメントセンター]
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