2014年度日経就職ナビ学生モニター調査 

2013年10月22日
ディスコは、2014年3月卒業予定の全国の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)を対象に、10月1日現在の就職活動状況に関する学生調査を行いました(調査時期:2013年10月1日~7日、回答数:1,235人)。

【調査結果サマリー】

1.10月1日現在の内定状況
○内定率は86.2%。前年同時期(81.0%)より5.2ポイント上昇
○内定者のうち、就職先を決定し活動を終了したのは92.7%

2.未内定者の今後の予定
○「就職先が決まるまで就職活動を続ける」が49.1%でと半数を下回る
○「就職浪人を決めた」が7.6%と前年より3.4ポイント増加

3.内定式について
○内定式があった学生は79.9%。前年より7.7ポイント増加
○内定式の内容は「内定証の授与」82.0%、「内定者懇親会」71.7%など、前年との大きな変化は見られない

4.入社までの半年間の過ごし方
○文理差が大きく、文系は「趣味・遊び」「アルバイト」、理系は「専門分野の勉強」

5.入社までの目標と内定者研修
○「入社までの目標設定をしている」46.0%
○内定期間中の研修等に対し、「賛成」73.7%、「反対」26.4%

6.内定承諾後の辞退
○「内定承諾後」の辞退経験者は39.7%。前年より微増
○辞退理由は「より志望度の高い企業から内定が出た」が89.9%で最多

7.中小企業への選考応募状況
○中小企業を受けた学生は65.4%。前年より3.3ポイント増加
○「学内で中小企業への応募を促進する施策があった」43.6%

8.就職活動の費用
○平均157,013円で、前年調査より約2,700円上昇

【調査結果詳細】

1.10月1日現在の内定状況

10月1日現在の学生モニター全体の内定率は86.2%。前回調査(7月1日時点)では76.0%だったので、この3カ月で10ポイントあまり上昇した。7月時点での内定率は対前年5.2ポイント増だったが、10月時点でも同5.2ポイント増と差が縮まることはなく、夏場以降も企業の選考が積極的に行われていたことがうかがえる。
今年は早い時期から高い内定率を維持しており、リーマン・ショック前の水準にかなり近づいている。採用意欲の高さ、大学の就職支援などを考えると、中小企業への内定を中心に、今後もまだ伸びる可能性はあるだろう。
内定者のうち就職先を決定して活動を終了したのは92.7%で、前年同期と同水準。文理男女での差は見られず、いずれも9割を超えている。本調査時点での就職先決定者の割合は、モニター全体の79.8%を占める。

2.未内定者の今後の予定

10月1日現在で内定を得ていない学生(モニター全体の13.8%)に、今後の予定を尋ねた。前年同様「就職先が決まるまで就職活動を続ける」が最も多かったが、49.1%と半数を割り込んだ。代わりに、「卒業して就職活動をやり直す(就職浪人を決めた)」が7.6%と前年より3.4ポイント増加。また、「卒業して非正規雇用で働く(派遣、アルバイトなど)」が前年の3.3%から7.0%に増加した。就職環境は改善しても、いわゆる不安定雇用や新卒無業者の解消とはまでは行かないようだ。
未内定者の今後の進路は文理や男女で大きな差があり、文系女子はあくまで就職活動継続者が多いが(73.5%)、理系は「大学院に進学する」が多い傾向がある(理系男子41.2%、理系女子50.0%)。理系は修士で就職活動をするのが一般的ということも背景にあるのだろう。

3.内定式について

10月1日前後の内定式の有無を聞いた。「内定式があった」のは79.9%で、「なかった」が20.1%。内定式があった学生は前年調査より7.7ポイント増加した。
内定式の開催日は、倫理憲章で正式内定日と謳われている10月1日に集中し、83.9%に上った。
内定式で実施された内容に前年と大きな変化は見られず、「内定証の授与」(82.0%)、「内定者懇親会(食事会)」71.7%、「人事部長等の講話」61.4%の順。ワーク等を用いた「内定者研修」を受けた人は26.3%と、前年より3.5ポイント増えた。

4.入社までの半年間の過ごし方

就職活動を終了している人に、入社までの約半年間の過ごし方を尋ねた。
最も多かったのは「卒業論文・卒業研究など専門分野の勉強」で84.2%と8割強に上る。但し、文理で差が見られ、文系76.4%に対し理系は95.9%と9割を超えている。逆に文系のほうが高いのが「アルバイト」。文系は66.5%と6割を超えているが、理系は35.5%にとどまる。残りの学生生活をどう過ごすかは文理で大きく異なることが分かる。

5.入社までの目標と内定者研修

入社までに「こうなりたい」「こんなスキルを身に付けたい」といった目標設定に文理差はなく、いずれも半数弱。具体的な目標には、TOEICのスコアを示したり、入社後に必要になる資格の取得を挙げる学生が多かったが、「朝早く起きられるようになりたい」など学生らしい回答もあった。
内定期間中の研修等について考えを尋ねたところ、「基本的に賛成」32.8%、「どちらかといえば賛成」40.9%と、あわせて73.7%に上った。語学の学習や資格取得といった自己啓発に対し企業側のサポートを望む声は少なくない。希望する学生がいれば、企業側から何らかの学習支援があってもよいだろう。

6.内定承諾後の辞退

内定を得た学生のうち、内定を辞退したことがある学生は51.6%で、前年同期(52.0%)とほぼ同率だった。辞退のタイミングを聞いたところ、「内定承諾前」が67.0%、「内定承諾後」が39.7%と、前年より承諾後の辞退がやや増加した。承諾後に辞退した理由を尋ねると、「より志望度の高い企業から内定が出た」が89.9%と圧倒的に多かった。承諾前か後かは関係なく、学生は志望度優先で決めることがよく分かる。次に多いのは「その企業のマイナス面に気付いた」で12.8%と1割強。
辞退についての相談相手は「家族・親戚」が67.9%で最も多く、最終局面での親の影響力の高さがうかがえる。特に女子において数値が高くなっている。女子は他に「身近な社会人(アルバイト先の社員など)」が、男子に比べ高いのが特徴的(文系女子14.7%、理系女子18.2%)。一方、男子では「特にいない/誰にも相談していない」の割合が高く(文系男子15.5%、理系男子19.6%)、女子に比べ一人で決める傾向が強いことがうかがえる。

7.中小企業への選考応募状況

従業員300人未満の中小企業の選考について尋ねたところ、「中小企業の面接試験を受けた」は65.4%で、前年調査(62.1%)より3.3ポイント増えた。中小企業の面接試験の受験社数は4.2社で、大手を合わせた受験社数(13.1社)の3割強を占める。今年は参考としてエントリーについても尋ねたが、中小企業にエントリーした学生は74.4%と面接試験より約10ポイント多かったが、社数に占める中小の割合は同じく3割強だった。
学内で中小企業への応募を促進するセミナーやガイダンスなどがあったか否かを初めて尋ねたが、4割強は何らかの施策があったと回答しており、そうした大学側の取り組みも中小企業受験者の増加に貢献していると見られる。中小企業を受けた理由を見ると、応募の入口に繋がるキーは依然「仕事」「業界」「場所(地元か否か)」と言える。

8.就職活動の費用

就職活動にかかった費用について、「リクルートスーツ代」「交通費」「宿泊費」「資料費」「備品代」「有料講座受講費」「その他諸経費」の7つの項目ごとに金額を聞いた。各項目の平均を算出し足しあげると157,013円となり、前年調査(154,311円)を2,700円余り上回った。

増加額が一番大きいのは「リクルートスーツ代」で、前年の39,460円から42,559円へと約3,000円増えた。10万円以上を費やした人が8.9%おり平均値を引き上げた(前年は6.4%)。スーツも二極化が進んでいるのだろうか。就活費用のうち最も多くを占める「交通費」は、前年の71,362円から73,649円へと約2,200円増えた。交通費は地方で額が多く、前年は10万円を超えた地域は「中国・四国」「九州・沖縄」の2地域だったが、今年は「北海道」「東北」が加わり、4地域に増えた。地方の交通費の上昇が全体の金額を底上げした格好だ。一方、「有料講座受講費」は前年の6,164円から3,906円へと大きく減ったが、全体の89.1%が「0円」と回答するなど、受講者そのものが減少しており(前年は85.6%)、就職環境の回復を反映していると言える。

全体の費用を地域別に見ると、平均額が最も高いのが前年同様「九州・沖縄」で、220,601円。他に20万円を超えているのは「中国・四国」210,040円、「北海道」207,120円。逆に、安いのは「関東」125,816円、「近畿」142,458円といった都市圏。交通費・宿泊費の違いが合計額に大きく影響している。
就職活動費用の出どころは、「親に出してもらった(返済しない)」が51.8%と過半数。負担額も前年より約1万円増で10万円を超え、親への経済的依存度は高まった。


【調査概要】
2014年3月卒業予定の全国の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)
回答数:1,235人(文系男子403人、文系女子344人、理系男子339人、理系女子149人)
調査方法:インターネット調査法
調査期間:2013年10月1日~7日
サンプリング : 日経就職ナビ2014 就職活動モニター

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ディスコ]
 マイページ TOP