世界全体の水素インフラの市場規模予測 

2013年10月21日
日経BP社は、世界全体の水素インフラの市場規模予測を発表した。

世界の70カ所の水素インフラ・プロジェクトの調査や各国政府のエネルギー政策などの情報を元に算出したところ、全世界の水素インフラ市場は、2050年に約160兆円に達することが分かりました。水素インフラとは、燃料電池自動車(FCV)、水素ステーション、定置型燃料電池、水素発電所、液化水素基地、供給水素基地、パイプライン、タンカー、タンクローリーを指します。

日経BP社の環境・エネルギーに関するシンクタンクである日経BPクリーンテック研究所は、全世界70カ所の水素インフラ・プロジェクトをリスト化し、その内容を調査し、類型分析などのデータを元に市場を予測。

水素インフラ市場は2020年に10兆円を超え、2030年に約37兆円、2050年には約160兆円になります。2020年までは定置型燃料電池や周辺インフラが中心ですが、2030年以降はFCVの市場が急速に拡大し、水素を燃料とする発電所も登場します。2050年には、全体の約60%をFCV市場が占めることになります。

水素が普及に向けて立ち上がる2015年は世界全体の約4割を欧州が占めます。その後、世界に占める割合は低下しますが2050年まで最大市場であり続けます。北米市場(米国、カナダ)は、2015年に世界全体の約1/3を占めて、欧州に次いで2番目に大きい市場です。その後シェアは低下しますが、やはり欧州とともに水素社会をけん引する大きな市場です。

日本は、水素を積極的に社会インフラに取り込み、大きな市場になります。2015年は約1兆円ですが、2030年には6兆円、2050年には12兆円になります。日本は、海外の炭田や天然ガス田で水素を生成し、タンカーで運び、パイプラインやタンクローリーで国内の各地に供給する水素インフラ網が形成されます。海外においてCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)を行い、CO2排出量を減らすことができます。

本調査の詳細は、10月24日発行の『世界水素インフラ プロジェクト総覧』(発行:日経BP社、調査:日経BPクリーンテック研究所)に報告されます。報告書には、各項目別の市場や国・地域別の市場も収録します。

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日経BP社]
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