「進路決定率」調査 

2013年10月17日
旺文社は、2013年の全国の国公私立大学のデータを集計し、大学卒業後の進路状況をはかる新たな指標として、「進路決定率」を算出。進路決定率とは、卒業者に占める安定した進路の決定者(就職者と大学院進学者)の割合です。

【調査結果】

■「進路決定率」結果概要―――就職率からは見えない実情

 ● 2013年3月大卒者の進路決定率は80.9 %。約5人に1人が安定した進路を決定できず。
 ● 【学部系統】 文系よりも理系の方が進路決定率が高く、その差は約10ポイント。
 ● 【国公私立】 私立大学よりも国公立大学の方が進路決定率が高い。
 ● 【地域別】  東京・大阪などの都市部の進路決定率は平均より低い。
 
■「進路決定率」とは―――就職+進学で進路状況を判断
進路決定率=(就職者(※)+大学院進学者)÷卒業者×100 [%]

大卒者の就職率は、大学の“出口”の指標として一般的です。しかし、就職率には以下の問題点があります。
・大学院進学者が反映されておらず、就職率だけで進路状況を見ることはできない。
・就職率を算出する際に一般的に分母とする「就職希望者」の定義があいまい。

進路決定率を見れば、これまで就職率では比較できなかった、大学院進学者の多い学問分野も同一条件で比較することが可能です。今後は、就職だけでなく進学も含めた進路決定に注目していく必要があります。
 
(※)正規雇用者及び雇用契約が1年以上、フルタイムの非正規雇用者。学校基本調査の基準に準ずる。また、医学科、歯学科の卒後臨床研修医は就職者に含む。

■3つの切り口で見る進路決定率

1. 学部系統別で見る進路決定率
【特徴】文系と理系で進路決定率に約10ポイントの差。
・理・工系は卒業者に占める就職者の割合は低いものの、進学率が高いため、進路決定率が高い。
・医・薬・看護系は資格取得率が高いため、進路決定率が高い。
・文系は経済系のような実学に近い系統と実学に近くない系統間で進路決定率に大きな差異はない。

2. 国公私立で見る進路決定率
【特徴】国公立と私立で進路決定率に大差あり。
・国立大学は進学率の高い理系学部(理・工・農・薬)の人数が多い(49.7%) 。これらの学部は進路決定率が高く、国立大学全体の進路決定率を押し上げている。
・公立大学は看護系学部の人数が多い(22.5%)。これらの学部は進路決定率が高く、公立大学全体の進路決定率を押し上げている。

3. 地域別で見る進路決定率
【特徴】関東、関西の進路決定率は決して高くない。
・関東、関西の都市部は私立大学が多いため、エリアにある大学全体に占める国公立大学の割合は低い。進路決定率の高い国公立大学の割合が低いことが進路決定率を押し下げている。
・都市別進路決定率は、東京は79.3%、大阪府は78.6%で、全国平均(80.9%)よりも低い。


【データ概要】
調査対象:2013年3月大卒者(2013年5月1日現在)
有効回答数:698大学2192学部

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[旺文社]
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