ネット通販に関する消費者実態調査2013 

2013年10月09日
日本通信販売協会(JADMA)は、「ジャドマ通販研究所」を開設。今後は、定期的に通信販売に関する情報を調査レポートとして発行していく。その第一弾として、「ネット通販に関する消費者実態調査2013」をテーマに、インターネットリサーチにより過去1年以内にネット通販を利用した15歳~69歳の男女を対象に、2013年8月30日~9月3日の5日間で調査を行い、計1,000の有効サンプルを得た。

【調査結果】

~ネット通販とSNSの関係性~「LINE」のネット通販参入、SNSの将来的な影響力をどう見る?


◆10代女性の半数がネット通販におけるSNSの今後の影響力を予想
◆ネット通販への影響力が高いSNS 10代が選ぶ1位はTwitter、20代が選ぶ1位はFacebook

利用者が急拡大を続ける「LINE」がインターネット通信販売(以下、ネット通販)事業への参入を発表しましたが、人間関係を背景としたSNSは、将来的に消費者のネット通販利用時の行動にどの程度影響を与える可能性があるのでしょうか。

過去1年以内にネット通販を利用した15歳~69歳の男女1,000名(全回答者)に対し、インターネット通販利用時の商品選びで、今後影響を受けやすいと思うSNSについて質問したところ、全体の2割(20.8%)が今後影響を受けやすいSNSがあると回答し、特に10代女性では半数(49.4%)がSNSの影響力を予想しました。また、SNSの影響力を予想した208名では今後影響力があるとしたSNSは、トップがTwitter(48.1%)で約半数、次いでFacebook(41.8%)、LINE(27.9%)が続きました。ECの未来予想図を語るのに欠かせない10代・20代では、影響力1位に選んだSNSが異なり、10代ではTwitter(68.1%)、20代ではFacebook(53.3%)という結果となりました。
また、ネット通販利用時のデバイスで分類した《スマホ派(53名)》《スマホ・PC両刀派(144名)》では、約4割(スマホ派:39.6%、スマホ・PC両刀派:42.4%)が今後何らかのSNSに影響を受けやすいと思うと回答しました。

~ネット通販の新形態~『ソーシャルコマース』『個人間スキル取引』『キュレーション型』の需要動向は?

SNSの利用拡大やスマートフォンとPCの併用層増加などを背景に、ネット通販は、従来の「インターネット上の店舗に並べてあるものを顧客が選ぶ」形態にとどまらず、様々な新しい販売方法へと進化を遂げていく予兆があります。全回答者(1,000名)に対し、最近注目されているネット通販の新形態を幾つか提示し、それぞれについて今後の利用意向を質問しました。

◆『ソーシャルコマース』は、学生やスマホ通販派へ浸透の可能性

【ソーシャルコマース】とは、ネット通販を利用する際に、SNSで繋がっている友人や趣味の合う人の意見を参考にしながら商品を選択する形態を指しますが、【ソーシャルコマース】について、今後の利用意向がどの程度あるか質問しました。「利用したい(計)」(「是非利用したい」「やや利用したい」の計、以下同様)の割合は全体で2割強(23.5%)となりましたが、学生(171名)では4割(39.2%)となりました。また、《スマホ派(53名)》《スマホ・PC両刀派(144名)》で「利用したい(計)」の割合が高く、3割半(スマホ派:35.8%、スマホ・PC両刀派:36.2%)となりました。

◆『個人間スキル取引』は、Twitter、LINEとの親和性が強い?若年男性のニーズにマッチする予兆も

従来までのネット通販は「物」の売買が主流でしたが、個人が持つ知識やノウハウ・特技などのスキルをネットで取引できる【個人間スキル取引】が注目されています。『スキルの買い手』としての一例では、「ファッションセンスの良い人が洋服選びに同行してアドバイスしてくれるサービスを、ネットで購入」や、『スキルの売り手』としては、「自分の得意な英語のスキルを活かして、オンライン上の英会話サービスを割安に提供」など、他にも様々なスキルの売買が考えられます。【個人間スキル取引】について、どの程度利用したいかを質問しました。
「利用したい(計)」の割合は、全体で2割(20.2%)となりましたが、10代男性と20代男性で利用意向が高く、約3割(10代男性:32.6%、20代男性:31.3%)となりました。そして、学生(171名)の利用意向も約3割(31.6%)と高くなり、他人の持つ「知識やスキル」を、お金を払って手軽に学びたいという思いがうかがえる結果となっています。また、Twitter利用者(304名)とLINE利用者(307名)においても利用意向が高く(いずれも29.0%)、ソーシャルメディアとの親和性を示唆する結果となりました。

◆20代男性の約3割は、目利き頼み・安心買いの『キュレーション型』に前向き

目利きのお勧め商品が定期的に送られてくる【キュレーション型定期購入】(例えば、日本酒の目利きがセレクトしたおすすめ商品が毎月送られてくるネット通販など)が注目されています。
これについて今後の利用意向を質問したところ、「利用したい(計)」の割合は全体で約2割(18.4%)となりましたが、女性より男性の利用意向が高く(男性:20.4%、女性:16.4%)なりました。特に20代男性では「利用したい(計)」が約3割(27.7%)と調査対象中で最も高くなり、買い物に時間をかけたくない男性の意向の高さがうかがえる結果となっています。また、どのような商品を選べば良いか自信が無い場合にも、目利きが選んだ商品という安心感を得られるというメリットも考えられ、今後のネット通販の需要拡大に一役買う新形態として期待されています。

~ネット通販で商品選び、参考にするおすすめ情報~「その道のプロ」「芸能人」の影響力は?

◆芸能人よりリアルな友人知人のレコメンド!ネット通販では購入者のレコメンドの影響力が突出

ネット通販で商品を選ぶ際に参考となる情報として、第三者による「クチコミ」や「おすすめ情報」をインターネット上で目にする機会が非常に多くなっています。「おすすめ情報」は、「『誰による』おすすめ情報なのか」によって、ネット通販で商品を検討する人に与える影響は異なるのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、ネット通販で品物を検討する際に、インターネット上の様々なおすすめ情報をそれぞれどの程度参考にするかを質問しました。
その結果、「参考にする(計)」(「かなり参考する」「どちらかといえば参考にする」の計、以下同様)の割合が最も高かったのは、【購入者によるおすすめ情報】で7割(69.8%)となり、次いで【(ブログ、SNSなどでの)リアルな友人知人によるおすすめ情報】(46.0%)、【その道のプロによるおすすめ情報】(37.3%)、【(ブログ、SNSなどでの)会ったことは無いが、自分と趣味が合う人によるおすすめ情報】(36.2%)、【芸能人によるおすすめ情報】(19.5%)となりました。

~ネット通販にまつわる「あるある」ネタ~「ご褒美買い」「応援買い・絆買い」「ほろ酔い買い」の主役は?

最後に、ネット通販利用者の行動特性・行動実態を分かり易く紐解くために、「ありがちな行動=あるあるネタ」について、全回答者(1,000名)に対し、経験の有無を質問しました。

・「大人買い」
◆『大人買い』は大人の男への登竜門?イマドキの20代男性の3人に1人がネットで『大人買い』経験


「大人買い」とは、一般的な量を大幅に上回る量を一度に買うことを指しますが、「経験がある」割合は全体で2割半(23.6%)となりました。また、20代男性では3人に1人(33.7%)が「経験がある」と回答しています。

・「衝動買い」
◆ネットで『衝動買い』経験、40代女性の3人に2人


「衝動買い」とは、買う予定は無かったのに、本当に必要かなどを忘れて、一時の欲望だけで買ってしまうことを指しますが、全体で半数(49.6%)が「経験がある」と回答しました。40代女性では3人に2人(63.1%)が「経験がある」と回答しています。

・「送料無料買い」
◆『送料無料買い』の経験がある 女性の約9割


「送料無料買い」とは、本来有料である送料が「○○円以上送料無料」とあると、ついその額以上買ってしまうことを指しますが、全体で8割強(82.7%)が「経験がある」と回答しました。男性より女性で「経験がある」との割合が高く(男性:77.4%、女性:88.0%)、30代女性と50代女性では9割強(いずれも92.8%)と特に高くなりました。

・「ご褒美買い」
◆頑張った自分を褒めてあげたい?ネットで『ご褒美買い』を半数の女性が経験、10代女性では6割に


「ご褒美買い」とは、自分へのご褒美として、欲しかったものを思い切って買うことを指しますが、全体で4割強(42.9%)が「経験がある」と回答しました。男性(35.6%)より女性(50.2%)で「経験がある」割合が高い結果となり、10代女性で「経験がある」割合が6割(59.0%)と最も高くなりました。

・「応援買い・絆買い」
◆ネットで『応援買い・絆買い』 40代以上の女性が人と人とのつながりの中心に?


「応援買い・絆買い」とは、応援したい人や土地、被災地などをサポートするために買い物をすることを指します。「経験がある」割合は全体で2割(19.5%)となりましたが、40代以上の女性では「応援買い・絆買い」経験率が約3割と高くなり、40代女性で29.8%、50代女性・60代女性でいずれも31.3%となりました。

・「ほろ酔い買い」
◆酔った勢いでネット通販 『ほろ酔い買い』は50代男性の1割半が経験


「ほろ酔い買い」とは、ほろ酔いでネット通販サイトを見ているうちに、買う予定は無かったのに酔った勢いで買ってしまうことを指します。「経験がある」割合は全体で7.0%なりましたが50代男性では「経験がある」が1割半(15.5%)と全体の2倍を超える割合となりました。

・その他のネット通販にまつわる「あるある」ネタ
◆スマホ通販派で目立つ『電車買い』や『トイレ買い』


その他に、電車内でネット通販する「電車買い」や、トイレに座ってモバイル機器でネット通販する「トイレ買い」については、「経験がある」との回答は全体でいずれも5%未満(電車買い:4.6%、トイレ買い:2.4%)にとどまりましたが、ネット通販利用時のデバイスで分類した《スマホ派(53名)》では全体より10ポイント以上高くなり、「電車買い」は17.0%、「トイレ買い」は15.1%が「経験がある」と回答しました。

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