家族調査2013~「日本の家族25年変化」調査 

2013年09月30日
博報堂生活総合研究所は日本の家族の現状とその行く末を見極めることを目的に、1988年より、98年、2008年と家族に関するアンケートを同一質問内容で実施し、日本の家族の意識変化について研究を重ねてきた。今回は、2011年に起きた東日本大震災の家族に対する影響を念頭に置きながら、2008年から2013年までの5年間で日本の家族にどのような変化が起こったのかを調査、分析。

【調査サマリー】

■ 新たな家族像「子供信託家族」
調査の結果、今の家族は「時間、お金、意識」の重心をより「子供」に置く傾向が強まっていることが判りました。生活総合研究所はこの現象を新しい家族像として「子供信託家族」と新たに名付けました。
調査開始以来、これまで日本の家族は「個性化」の大きな流れの中にいました。この傾向が最高潮にあった 2008年には、家族それぞれの個性を大事にし、自由な時間を過ごす一方で、あえて家族らしい行動を自覚的に取る「保温家族」という現象が見られました。しかし、未曾有の災害やリーマンショック後の長引く不況などの大きな社会変化を経験した日本の家族は、不安な日常の中で家族・子供の大切さを再認識し、不透明な未来へ子供を送り出すために、家族リソース配分の重心を子供に向けようとしているようです。

[9つの Findings]


■親子の関係
1 お金は子供のために蓄える

家族関係の中心は「子供」が上昇、一方「夫婦中心」は減少。「親の生活費より子供の教育にお金をかけるほうが良い」が上昇。

2 妻は子供との時間を大切に思っている
妻の「自分のプライベートな時間を充実させたい」が初めての減少。一方「子どもと一緒の時間を充実させたい」は上昇。「子供はできるだけ早く親の手から離すほうが良い」は減少、子供の将来に対する妻の心配が強まる傾向に。

3 親子関係にはけじめをつける

「子供とは友達みたいな親子関係であるほうが良い」夫婦共に減少。

■夫婦の関係
4 夫婦関係がフラット化し、相対的に妻の立場が強まっている

「夫婦の発言権」では妻が上昇し夫が低下。25 年間で徐々に近づく。

5 妻の異性関係への興味が低下
妻の「異性の友人が欲しいと思う」が減少、一方「妻の不倫は絶対許されることではない」が上昇。

6 夫の家事協力が進んでいる
「夫も家事を分担するほうが良い」夫婦共に増加、夫は 25 年で2倍以上の伸び。

■親族との関係
7 家族のイメージが親、兄弟・姉妹に拡がっている

「家族といって思い浮かべる人」が「自分の親」「配偶者の親」「自分の兄弟・姉妹」が上昇。

8 親の育児支援が定着している
「別居して生活するが近くに住みたい」親との近居意向が増加傾向。また、約半数が妻の親に子供の世話を助けてもらっている。

■その他
9 東日本大震災後、子供のことを案じる妻が増えている

自分の「家族に対する考え方や行動」が変わったと感じる妻、特に子供を心配する回答が多かった。


【調査概要】
・調査地域:首都40km圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)
・調査手法:訪問留置自記入法
・調査対象:妻の年齢が20歳~ 59歳まで、夫婦が同居しているサラリーマン世帯
 ※対象条件は、夫がサラリーマンであること。子供有無は問わない。
 ※調査対象世帯のうちの子供のいる率は93.3%。
・サンプル数:1,000世帯(妻1,000サンプル、夫1,000サンプル)
 ※妻が自身について回答する妻票、妻が自分の世帯について回答する世帯票、夫が自身について回答する夫票、3種類すべての質問票への回答をもって1世帯分の調査とみなす。
・調査時期:2013年5月23日~ 6月17日
・企画・分析:博報堂生活総合研究所

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[博報堂生活総合研究所]
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