主婦の再就業による直接効果と経済波及効果 

2013年07月25日
電通総研は、結婚や出産で退職・離職した 25~49 歳の主婦が、希望どおりの再就業をした場合の消費の増加による直接効果と経済波及効果を推計した(下記Ⅰ)。また、「妻が勤労者(共働き)の世帯」と「妻が無職(専業主婦)の世帯」の消費実態を比較し、共働きの世帯で支出増が見込まれる消費項目を調査した(下記Ⅱ)。さらに、2013 年 6 月に子どものいる主婦 3,000 人に「家事・育児・消費および就業意識に関するアンケート」を行った(下記Ⅲ)。主な結果は次のとおり。

【調査結果】

Ⅰ 結婚や出産で退職・離職した 25~49 歳主婦の、再就業による直接効果と経済波及効果

Ⅰ-(1)再就業希望者 360 万人(推計)※1中、「正社員、非正規社員、パート・アルバイト」で就業を希望する 316 万人が、希望どおりに再就業した場合の直接効果は 2 兆 9,822 億円、経済波及効果は 6 兆 3,962 億円と試算※2。

Ⅰ-(2)直接効果の大きい産業は、「商業」5,126 億円、「対個人サービス」4,414 億円、「不動産」3,417 億円、「教育・研究」2,536 億円、「情報通信」2,161 億円、「飲食料品」2,085 億円、「輸送機械」1,713 億円など。

Ⅱ 夫婦と子どもからなる世帯で「共働きの世帯」と「専業主婦の世帯」の消費実態を比較※3

Ⅱ-(1)可処分所得は、「共働きの世帯」が「専業主婦の世帯」の 1.22 倍(差額は年間 95 万円)。消費支出は、「共働きの世帯」が「専業主婦の世帯」の 1.12 倍(同 43 万円)。

Ⅱ-(2)「共働きの世帯」で消費支出が増加する分野は、「教育」で1.50倍、「調理食品」で1.26倍、「通信」で1.18倍、「自動車等関係費」で1.15倍、「外食」で1.12倍など。

Ⅲ 子どものいる主婦の「家事・育児・消費および就業意識に関するアンケート」の結果※4

Ⅲ-(1) 自分の収入が増えたら増やせると思うものは、「旅行・レジャー」53.7%、「自分の小遣い」51.9%、「子どもの習い事・教育費」51.0%、「交際費・外食」35.7%など。

Ⅲ-(2) 理想の就業形態は、「パート・アルバイト」が最多で 40.2%、次いで「正社員」34.8%。

Ⅲ-(3) 子育てと仕事の両立の条件は、「夫の理解・協力」63.3%、「フォローしあえる職場環境」61.7%。

Ⅲ-(4) 女性の活躍については、「もっと女性が活躍する世の中になってほしい」が 73.2%と期待が高まる一方で、「育児と仕事の両立で、女性の負担が増える」も 72.6%とほぼ同率。

Ⅲ-(5)「育児休業の最大 3 年取得」についての意見は、「条件付きで賛成」とする回答が 40.0%と最多。次いで、「どちらともいえない」24.1%、「賛成」21.5%、「反対」14.4%。


※1 就業後に結婚や出産によって退職・離職し、再就業を希望する 25~49 歳主婦を同年齢層の 18.8%(360 万人)と推計(平成 22 年国勢調査、第 3 回・第 4 回全国家庭動向調査、平成 19 年就業構造基本調査より)。

※2 希望する就業形態別で主婦が再就業した場合の所得増加から見込まれる消費増加額を元に、産業連関表を用いて試算(平成 19 年賃金構造基本統計調査、平成 21 年全国消費実態調査、平成 22 年国勢調査、平成 17 年産業連関表より)。

※3「妻の年齢 25~49 歳の、世帯主夫婦と未婚の子どもからなる世帯」のデータを元に算出(平成 21 年全国消費実態調査、平成 22 年国勢調査より)。

※4 電通総研 ママラボ「家事・育児・消費および就業意識に関するアンケート」より。


【調査概要】
・調査名 :「家事・育児・消費および就業意識に関するアンケート」
・調査対象:子どものいる 25~49 歳の主婦 3,000 人
(専業主婦:n=1000、パートタイム主婦:n=1000、フルタイム主婦:n=1000)
・調査地域:全国
・調査時期:2013 年 6 月 17 日~6 月 18 日
・調査手法:インターネット調査

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[電通総研]
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