クレディ・スイス、2012年度「グローバル・ウェルス・レポート」 

2012年10月22日
クレディ・スイスは、世界の富に関する包括的な調査分析レポートである、「2012 年度グローバル・ウェルス・レポート」を発表。

今回で第 3 版となる本調査によると、欧州債務危機および世界的な景気減速を背景に、世界の家計の富の総額は 2011 年央から 2012 年央の過去 12ヶ月間で、現行米ドル為替ベースで 12.3 兆ドル、前年比で 5.2%減少し、223 兆ドル(約 17,394兆円)となりました。地域別にみると、欧州の家計の富が 10.9 兆ドル減少した結果、アジア太平洋地域が欧州の総額を上回り、世界で最も富を保有する地域となりました。

■日本の家計の富
2012 年半ばまでの 1 年間でみると、2011 年 3 月の東日本大震災が景気にマイナス影響を及ぼしているにもかかわらず、日本の家計の富の総額は、対ドル円高進行の影響もあり(前年比約2.5%)、前年比 1.3%増の 28.1 兆ドル(約 2,190 兆円)に拡大、世界第 2 位の座を維持しました。

過去 1 年間で増加した富の総額は 3,680 億ドル、世界の富の増加において日本は米国、中国に次いで第 3 位の貢献国となりました。2017 年までの向こう 5 年間をみても、日本の家計の富は現在の水準から約 25%、7 兆ドル増加して 35 兆ドル(約 2,730 兆円)に達すると予想されています。また、日本における成人 1 人当たりの富の平均総額は前年比 1%増の 26 万 9,708 ドルで、世界第 5 位の水準でした。

日本においては、100 万ドル以上の純資産を有する富裕層は前年比で 8 万 3,000 人増加し 360万人と米国に続き世界第 2 位となりました。純資産 5,000 万ドル以上を有する超富裕層(UHNW)は 3,400 人で世界第 4 位でした。2017 年までの向こう 5 年間でみると、日本の富裕層人口は51%増加し、540 万人に拡大すると予想されます。また、米経済誌「フォーブス」の世界長者番付に選出された日本人富裕者をみると、75%が世襲や相続ではなく、自身で資産を築いています。これは世界平均の 69%より高い割合となっています。

また、家計の負債の純資産に占める割合をみると、先進国の平均が 20-30%、世界の平均は18%ですが、日本は高所得国であるにもかかわらず 16.6%、成人 1 人当たりの負債総額にして4 万 4,816 ドルと比較的低く抑えられています。所得格差の代表的指標であるジニ指数でみると日本は 60%と、国際基準でみても日本は所得格差が少なくなっています。日本では 1 万ドル以上の富を保有する成人人口の割合は 95%超、10 万ドル以上の富の保有割合は 62%と、世界の平均水準の約 8 倍という高い比率となっていることも特徴です。

■アジア太平洋地域が欧州を抜き世界の最富裕地域へ
■米国、中国、日本が 2011 年-2012 年の世界の富への増加寄与度で上位 3 位に
■向こう 5 年間はアジア太平洋地域が引き続き最大の牽引役

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[クレディ・スイス]
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