2013年度の国内企業の広告費予測(見直し) 

2013年07月24日
日経広告研究所は、2013年度の国内企業の広告費予測を見直した。今年1月に実施した予測では、13年度の広告費合計は前年度比3.4%増だったが、今回の予測でも同じ3.4%増と予測した。

 13年度も上期は低い伸びにとどまるが、下期に回復する見込みで、13年度通期は前年度比3.4%増と前年度実績(3.2%増)とほぼ同じ伸びになる。テレビ、新聞、雑誌、ラジオのマス4媒体広告費も13年度は低迷を脱するものの、広告費合計の伸びには及ばない。ただ、これまで急成長してきたインターネット広告費も一ケタ台の伸びにとどまる見通しだ。

■13年度上期は低迷が続くが、下期は駆け込み需要などで回復

 13年度上期の予想は広告費合計が2.7%増、マス4媒体合計で0.1%増と、12年度下期実績に比べると伸び率は広告費合計で2.7ポイント拡大。前回の予測に比べると、広告費合計で1ポイント上ぶれする。マス4媒体では前回予測に比べ0.6ポイント縮小し、増勢は弱いとみる。アベノミクスで円安株高の傾向が続き、デフレ脱却のための公共事業など積極的な財政投入で景気は回復基調にある。広告費の増加を下支えするが、マス4媒体広告は新聞、雑誌などの購読部数の減少、インターネットの普及による企業サイトやソーシャルメディアの進化など構造変化が影響し、プラス幅はわずかにとどまる。

 下期は欧州の金融情勢が小康状態にあることや経済対策が徐々に効果を出し始めると予想されること、14年4月の消費税増税前の駆け込み需要に伴う広告費増も期待できることから、広告費合計で4.0%増、マス4媒体合計で2.8%増と、上期に比べ増加幅が拡大する。ただ、1月予測に比べると、広告費合計で0.9ポイント、マス4媒体合計で0.8ポイント増加幅を引き下げた。

 この結果、13年度通期では広告費合計で3.4%増、マス4媒体合計で1.5%増と予測する。1月予測に比べると、マス4媒体合計で0.7ポイント増加幅を引き下げた。

■テレビ堅調、新聞微減、雑誌回復基調、ラジオ微増、ネットは伸び鈍化

 媒体別にみると、13年度上期はテレビ0.8%増(前回予測1.4%増、以下同様)、新聞2.7%減(1.1%減)、雑誌0.4%増(0.8%減)、ラジオ1.2%減(0.9%減)、交通0.4%増(0.3%減)、折込・ダイレクトメール0.4%減(2.6%増)、インターネット6.9%増(2.8%増)。テレビの増加幅が縮小、雑誌がマイナスからプラスに転じる。一方、新聞とラジオは減少幅が拡大する。インターネットは伸び率が拡大する。下期はテレビ3.1%増(4.2%増)、新聞1.9%増(2.3%増)、雑誌1.9%増(2.9%増)、ラジオ1.3%増(0.7%増)、交通2.1%増(2.0%増)、折込・ダイレクトメール1.8%増(5.3%増)、インターネット8.2%増(4.9%増)。下期は全媒体が増加に転じる見通しだが、1月予測に比べ、ラジオ、交通とインターネットを除き伸び率は鈍化する。

 この結果、13年度通期ではテレビ2.0%増(2.8%増)、新聞0.2%減(0.7%増)、雑誌1.2%増(1.2%増)、ラジオ0.1%増(0.1%減)、交通1.3%増(0.9%増)、折込・ダイレクトメール0.7%増(4.0%増)、インターネット7.6%増(3.9%増)と予測する。テレビとインターネットが広告費を牽引する構造が続きそうだ。

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[日経広告研究所]
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